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  • 松尾研究所5周年 代表に聞くこれまでとこれから

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    プロジェクト詳細

    2025年2月20日をもって松尾研究所は創業5周年を迎えました。松尾研究所は東京大学大学院工学系研究科 松尾・岩澤研究室に伴走し、AI開発に取り組むベンチャー企業です。松尾教授とも10年来の盟友であり、その理念に強く共鳴し弊社を立ち上げた代表の川上に、これまでの5年を振り返るインタビューを行いました。

    松尾研究所 創業の経緯

     弊社は、人工知能技術を社会に実装すべく立ち上げられたベンチャー企業です。2020年に創業し、2025年2月20日をもって5周年を迎えました。

     創業の契機となったのは、松尾豊教授が研究室内で推進していた共同研究の理念です。松尾教授は、技術の社会実装を通じ、人と社会の成長を後押しすることを社会的な使命と捉え、いち早く、企業との共同研究を推進していました。実験や論文の共同執筆、PoC(概念実証)など、学術的な価値創出としての共同研究は、大学研究室の役割でしょう。しかし一方で、AIアルゴリズムを適用したシステム開発を、アカデミアへの深い理解とともに担うプレイヤーが必要でした。

     そこで2020年2月、AIアルゴリズム及びシステムを”開発”するベンチャー企業として、松尾研究所を発足した次第です。

     両者のメンバーのモチベーションは共通しています。「知能の謎を解きたい」という知的好奇心と「技術の社会実装を通じ、社会の成長や変革を後押しする」という使命感、そして「人や技術が育つ産学連携のエコシステムを創る」という視座の高さです。人的交流・知的交流も盛んで、20〜40代のメンバーが中心となって躍動しています。

    5年を経て現在の松尾研究所

     創業当初は特に深層学習のモデル開発と、モデルを組み込んだプロトタイプ開発などが中心でした。現在は、外部企業とも連携したシステム開発に近い実装プロジェクトや、AI戦略の策定・オープンイノベーション創出など、中期的な戦略プロジェクトなど、バラエティに富んでいます。モデル開発においては、従来の機械学習はもちろん、自動運転、画像認識、生成、自然言語処理、時系列予測、マルチモーダル学習など、さまざまなプロジェクト実績があります。

     社会からは、AI技術の専門家集団として、ポジショントークのない示唆出しが期待されていると感じます。日頃から、技術戦略・将来展望を議論する機会が多く、議論の中で生まれた仮説がプロジェクトに発展するケースが多いため、単発の受託開発案件ではなく、10年先を見据え企業に寄り添う中長期のプロジェクトが多い次第です。

    次の5年を見据えた松尾研究所の今後

     私たちは、ターゲットを固定し、5年間かけ逆算で目指していくような企業ではありません。常に「社会に自分達が一番大きなインパクトを与えられると思うこと」に向け行動し、行動結果からの学習を通じ、目的地を更新しながら進化し続ける組織です。したがって、社員全員がポジションを問わず、日々セルフモチベートし探究活動を行う研究者であり、自らの手でイノベーションを興そうとする起業家です。

     現在も各チームでさまざまな探索活動や実験が行われているので、社内には数多くの事業の萌芽が見られます。私たちが取り組んでいる探索活動の中から、将来的に新たなスピンオフベンチャーが誕生した際、その企業がIPOを通じさらに活動の幅を拡げ、より社会の一部としての使命を担っていくことも、エコシステムの進化の一つの未来像だと考えています。エコシステムの発展や進化には、プレイヤー自身の目覚ましい成長が必要です。世界のビックテックに比肩する成長率の維持を必達として自社も健全な事業成長を果たしつつ、研究開発やスタートアップ創出を通じた社会還元に取り組みたいと考えます。

     次の5年は、私たちの探索活動を多く結実させること、松尾研究所からスピンオフ企業や海外ブランチが誕生していくこと、そして松尾研の究極的な目標の1つである「知能を工学的に実現する」ことを形にしていくことを期待しています。

  • 「様々な業界の難易度の高い課題を、データサイエンスの力で解決する」松尾研データサイエンティストインタビュー

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    プロジェクト詳細

    今回は、株式会社松尾研究所でデータサイエンティストとして活躍する浮田純平さんにお話をお伺いしました。浮田さんは学生時代に東京大学松尾・岩澤研究室が主催する「グローバルインテリジェンス寄附講座(GCI)」を受講され、優秀生にも選ばれたことがあるメンバーです。浮田さんが松尾研にジョインした理由や、入社後関わっているプロジェクトについてお伝えします。

    松尾研講義を通したデータサイエンスとの出会い

    松尾研との関わりやGCIを受講されていた当時の印象について教えていただけますか?

    GCIを受講したのは2015年で、もう9年前になります。当時、大学在籍時に実験研究をしていたのですが、大量のデータを扱うプロジェクトが立ち上がり、データ分析や機械学習に興味を持ちました。研究室内で勉強会を開いたりもしたのですが、当時は今ほど情報が多くなく、参考書や講義も限られていました。そんな中、偶然GCIの講義を知り、参加してみようと思ったんです。そこで「松尾研」という名前も初めて知りましたね。

    ーどんな研究をされていたんですか?

    マウスを使って、そのマウスが起きているか寝ているかを自動で判定する研究をしていました。ゴールは、なぜ動物が寝たり起きたりするのかを解明することでしたが、そのためには睡眠状態を正確に判定する必要がありました。データ分析や機械学習の技術を活用することで、このプロセスを効率化できると考えて取り組んでいました。

    GCIを受講したことで得られた学びは何だったのでしょう?

    やはり、機械学習を体系的に学べたことですね。GCIではさまざまなツールの使い方や技術を初めて体系的に学べました。また、ビジネスでの応用例も学べたのが大きかったです。外部のゲストスピーカーが、自社で機械学習をどう活用しているか具体例を交えながら話してくださり、研究以外の応用方法を知るきっかけになりました。当時は研究しか機械学習の応用先を知らなかったので、「実際の現場ではそんな風に使われるのか」ということを知ることができたのが結構面白くて。機械学習を、もっと深く勉強しよう、という気持ちになりました。

    幅広いドメインへの関わりと、マネジメントの機会を求め松尾研へ

    ー浮田さんは入社エントリも書いていただいていると思うのですが、どういった経緯で松尾研究所に入社されたんですか?

    前職で医療ドメインでの経験を一定積むことができた感覚があったため、ドメインを限定されない機会は探してました。他の分野の事業会社か、もしくは松尾研みたいにいろんな業種と関わるような仕事が候補かなと。また、マネジメント経験を積みたいとも思っていたので、その点でも松尾研はマッチしていましたね。一人でできることは、自分が成長すれば広がるとは思いますが、やはり限界があると感じています。それに比べて、メンバーみんなで力を合わせて大きな成果を出せる状況のほうがもっと面白いのではと思ったんです。だからマネジメントを経験してみたい、と思っていました。

    上記の点がマッチしたことと併せて、前述した通り松尾研の講義を受けていたり、松尾研と以前に関わりがあったという点も理由として一つあります。ただ、名前は知っていても、現在の組織規模や具体的な内容は知らないことが多かったので、面談で話を聞く中で社会的意義の大きなプロジェクトを進めているのだなという印象を持ち、面白そうだなと思いました。

    プロジェクトの魅力は
    「課題の抽象度の高さ」と「技術的な難易度の高さ」

    ー入社後のギャップはありましたか?

    選考中に聞いていた内容と大きなギャップはなかったのですが、扱う課題の面白さに関しては、想像以上だと感じました。例えば、先日リリースが出た「松下幸之助」再現AIの開発など、機械学習の典型的な活用事例ではなく、本当に教科書には載っていないようなケースが多いんです。こういった課題に触れられるのは松尾研ならではだなと感じましたね。

    「面白さ」を2つに分解すると、まず「課題の抽象度の高さ」です。たとえば広告のクリック率を0.1%上げるといった定番の課題も悪くはないですが、社会的意義がどのくらいあるのかというところで人によっては好みも分かれるところで。松尾研にはクライアントの上層部から抽象的な依頼が直接来ることが多く、社会的意義が高いものが多いです。抽象度が高い分、問題をブレークダウンして具体化するプロセスが非常に重要になりますが、やりがいも大きいです。

    もう1つは「技術的な難易度の高さ」ですね。最初は解き方が全く見えない課題でも、論文を調べたり、みんなで議論したりする中で解決策が見えてきて、最終的に形になると達成感があります。解き方が定型化されていない問題に対して、新しい解決策を見出す過程は面白いなと感じますね。

    ー現在はどのようなプロジェクトに関わっているのですか?

    製造業や食品業界などのクライアントとのプロジェクトに関わっています。例えば、クライアント社内で人が行っていた業務をAIで自動化する取り組みを行いました。難しい部分はシステム導入のフェーズですね。要件定義から開発、クライアント側のエンジニアと調整しながら進めるプロセスは、短期間で成果を出す必要があり、大変さはありました。

    ー松尾研ではどのようにプロジェクトを進めているのですか?

    定例ミーティングやSlackを通じて、プロジェクトの進捗や技術的な知見を共有する機会が多いです。例えば、僕が担当しているプロジェクトに対し、他のメンバーが過去のプロジェクトで得た知見を共有してくれて、それを自分の課題に応用することができました。他社ではここまで積極的に情報共有が行われる文化は少ないかもしれません。

    ー松尾研で働く中で、浮田さん自身が変化を感じる点はありますか?

    マネジメントをしているという理由もありますが、要件定義など全体感の議論をする時間は増えました。また、クライアントとの会話の機会も増えましたね。多様なバックグラウンドを持つ方々とコミュニケーションを取りながら、課題解決に向けて物事を前に進める力がついたのではないかと思います。

    ー最後に、松尾研でこれから挑戦してみたいことを教えてください。

    より難易度の高い課題が来ても、難なくこなせるように自分の力も高めていきたいですね。また、せっかく松尾研にいるので、長期的には医療や金融といった特定の業界全体にインパクトを与えるようなプロジェクトを仕掛けたいと思っています。この組織だからこそ動かせる人や組織はあると感じているので、多くの人を巻き込みながら、社会に良い影響を与えられる仕事をしていきたいですね。

    (プロフィール)浮田 純平

    東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。エムスリー株式会社を経て松尾研究所にジョイン。

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  • 「様々な事業ドメインの課題を解くことができる」Kaggleマスターが松尾研究所に入社した理由。

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    プロジェクト詳細

    今回は、株式会社松尾研究所にAIエンジニアとしてジョインした奥村 悠希さんにお話をお伺いしました。奥村さんはAIデータ分析の世界的コンペティション「Kaggle」でKaggle master(金メダル2枚、銀メダル1枚獲得)の称号も得ています。奥村さんが松尾研にジョインした理由や、入社後の雰囲気についてお伝えします。

    入社後の配属をきっかけにデータサイエンスの世界へ

    大学では物理を専攻されていたとのことで、データサイエンスに触れたのは会社に入ってからだそうですね。

    大学では理論電磁気学という学問をやってました。電磁波とかメタマテリアルとか、その周りの研究をしていたんです。なので、AIは全く門外漢でしたね。でも、会社に入ってデータサイエンスを使う部署に配属されて、そこで初めてAIに触れるようになりました。

    元々興味のある分野ではあったので、「こういう部署に配属されます」と言われたときも、わからないけどやってみようかな、というポジティブな気持ちで受け入れました。AIは物理とアプローチがかなり違うんですよね。物理は理論からシミュレーションを経て実験するのが普通なんですけど、機械学習はその逆で、結果を集めてそこから共通するパターンを見つけ出す。そういう逆転の発想が新鮮で面白くて、どんどん勉強するようになりました。気付いたら夢中になっていましたね。

    Kaggleを始めたのはどのようなきっかけだったんですか?

    部署に配属されて、Kaggleというプラットフォームがあるという話を聞きました。当時、部署内で積極的に取り組んでいる人はいなかったんですけど、開催中のコンペティションについて少し話題になるくらいで。それが最初の接点でした。

    Kaggleマスターになるまでの道のりが気になります。どんなふうに取り組んでいったんですか?

    最初は全然歯が立たなかったですね。入社してすぐKaggleの存在を知って問題を見たんですけど、何が何だかわからない。1年目は全然手をつけず、外部の研修などで基礎を学んでいました。2年目に再挑戦して、ようやく問題の意図が少しわかるようになったんですけど、全く上位には行けませんでした。

    それでまた勉強を続け、3年目に再挑戦したら銅メダルを獲得できて。その後は金メダル、銀メダルととんとん拍子でメダルを集められるようになりました。

    それだけ大きな成果を出せたのは、なぜだと思いますか?

    実務経験も少しは役立ったと思いますが、Kaggleに必要なスキルは実務とはまた別物なんです。Kaggleのコンペの動向を追ったり、本を読んで自分で実装したりする自主的な勉強が大きかったと思います。

    Kaggleってゲームみたいなもので、AIの精度を競って順位が決まるんです。メダルを取れると評価されるし、世界中のすごい人たちと競争して勝つのが楽しい。それが大きなモチベーションです。

    メダルを取ったことで何か変化はありましたか?

    社内で「金メダルを取りました」と発信すると、やっぱり少し周りからの見られ方が変わる気はしました。周囲からの見られ方もそうですし、自分自身も世界レベルでの評価が自信に繋がったので、仕事が進めやすくなった気がしますね。自分のアプローチに対して、より確信を持てるようになりました。

    「様々なドメインの課題を解くことができる」ことを魅力に感じ、松尾研へ

    ーそんな奥村さんはなぜ松尾研究所にジョインされたんですか?

    スカウト経由でカジュアル面談を受けたのがきっかけです。松尾研という名前は以前から知っていたので、「あ、松尾研からスカウトが来るんだな」と思い、興味を持ちました。

    松尾研は日本のAI研究をリードしているイメージが強かったですね。「日本でAIといえば松尾研」という印象があったので、その研究成果を活用している会社ということで興味が湧きました。

    松尾研究所の話を聞いてみて、どのように感じましたか?

    特に面白いと感じたのは、プロジェクトの多様性です。クライアントの業界が限定されていないため、自分のようなKagglerを始め、色々なドメインを触りたい人にとってはかなり良い環境なのではと思いました。詳細のプロジェクトの内容については詳しく聞けないものもありましたが、2–3ヶ月の短期間で終わるものではなく、数年単位で取り組むような長期的な視点のプロジェクトが多い、という話が特に印象に残っています。そうしたプロジェクトの特徴が松尾研の強みだと思いました。

    また、自分のビジネススキルも伸ばせそうだと感じた点も良かったです。私自身、データサイエンスに寄った経験をしていると感じている一方で、ビジネススキルについてはまだこれから、という状態でした。松尾研ではプロジェクト進行の中でマネジメント経験を積むことができたり、お客様に提案する機会もあると聞きました。加えて、専門のコンサルタントが近くにいるので、そういった方々のヒアリングスキルを間近で学べる点も非常に魅力的でした。

    また、実際にメンバーと話す前は「ベンチャーのキラキラした雰囲気があるのでは・・」と思い少し不安もありましたが(笑)、実際はエンジニアっぽい人が多いというか、落ち着いた雰囲気の方が多く堅実な印象を受けました。それが良い意味で意外でしたね。

    バッググラウンドの異なる各領域のプロフェッショナルと
    スピード感を持って課題解決に取り組む

    ー入社後はどのようなプロジェクトに関わっているんですか?

    例えば現在はゲームプレイの自動化を目指すプロジェクトに関わっています。具体的には、QAのテストをAIで自動化するという内容で、非常に興味深い取り組みです。こうしたエンタメ系の案件に携わることは前職ではなかったので、非常に新鮮ですね。

    ー入社後、どのような点を魅力に感じていますか?

    スピード感が大きな魅力だと感じています。例えば、プロジェクトを進める上で必要なツールを即日手配してもらえたり、勉強会の企画がすぐに実現する点など、大企業では考えられないほどの迅速さがあります。また、バッググラウンドの異なる各分野のプロフェッショナルが集まっていて、コミュニケーションが活発な点も魅力的ですね。SlackやZoomのチャットも賑やかです。そのおかげで、技術や知識の共有が自然に行われていると感じます。

    また、週一の定例会で進捗報告やフィードバックを行う仕組みは非常にありがたいと感じています。他のプロジェクトの進行状況や解決方法を知ることで、自分のプロジェクトにも活かせる部分が出てきますし、全体的な効率化にもつながります。さらに、月一の合宿では組織全体をどう良くしていくかを議論する場も設けられていて、全体最適を目指している点が松尾研らしいと思います。

    Kaggleでの経験が松尾研での業務にどう活きていると感じますか?

    これはよく聞かれるのですが、難しい質問で。Kaggleで解いた問題へのアプローチがそのまま実際のプロジェクトに応用できるかというと難しい一方、深層学習モデルを動かすためのエンジニアリング力や効率的なアプローチの考え方など、間接的に役立つスキルが多いです。

    でもぜひみんなにやってほしいなと思うくらいにスキルとしては活きていると思っているので、ハマる、ハマらないはあると思いますが、松尾研内でももっとKaggle熱を盛り上げていきたいですね。松尾研内でチームを作って、ぜひ金メダルを獲りに行けたらいいなと思っています。

    最後に、松尾研でどのような人と働きたいですか?

    松尾研のエコシステムに共感できる人がいいですね。全体最適を目指し、他部門との連携を意識できる人と一緒に働きたいと思います。そして、Kaggleが好きな方はぜひジョインいただき、一緒に強いチームを作って金メダルを目指しましょう!

    (プロフィール)奥村 悠希

    大阪大学大学院基礎工学研究科修士課程修了。オリンパス株式会社に在籍後、2024年10月より現職。

  • 松尾研のシニアデータサイエンティストが、入社理由やプロジェクト事例、組織文化についてお伝えします!

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    今回は、株式会社松尾研究所でデータサイエンティストチームに所属する清水 茂樹さん・長谷 航記さんに、松尾研究所へのジョイン理由、今取り組まれていること、組織文化についてお話をお伺いしました。

    ーまずはお二人の自己紹介をお願いします。

    清水:今年(2024年)2月に入社して、現在はデータサイエンティストチームのリーダーをやっています。現在は、製造業の企業様とAIエージェントの研究開発をしていまして、技術調査や論文調査から開始し、開発の方向性を定め、ユーザーが使いやすいAIエージェントの開発を行っています。また、チームリーダーとして、データサイエンティストの皆さんが働きやすい環境作りにも取り組んでいます。よりイノベーティブな仕事に取り組めるように、業務の20%は新しいことや探索的な活動に取り組むことができるルール作りの検討など、組織を良い方向に進められるような起案をしています。

    長谷:今年(2024年)4月に入社して、複数の業界で生成AIを活用したプロダクト開発や業務改革プロジェクトをリードしています。従来のAI活用はもちろん、既存のプロダクトや業務を根本的に変えてしまうような新たな価値創造に挑戦しており、最先端の論文を調査・実装しながら、自動運転のレベルのようなAI活用レベルをサービスにおいて定義し、現在の最先端技術で実現可能なレベルの特定や実現可能性の検証を行っています。また、会社が急成長しており、従来のやり方では限界が来てしまうため、組織内の業務効率化やデータサイエンティストの知識の底上げを目指した勉強会の企画・運営も行っています。

    ーなぜ入社を決められたのですか?

    清水:前職はSIerでデータサイエンティストをしていましたが、松尾研究所では「AIの質」にこだわって仕事ができると思い、入社を決めました。

    AI導入を進める中で障壁となるのはUIや使い手のリテラシーなど様々なことは言われていますが、個人的には「AIの質」に課題を感じていました。クライアントのニーズに応じた迅速な成果が求められる一方で、AIモデルの質や精度に十分に時間を割くことが難しいと感じることがありました。松尾研究所では、研究室に伴走する組織として最先端の技術に触れることができつつ、AIの質にこだわって仕事ができることが魅力でした。

    長谷:アカデミアとの距離が近く、最先端技術を活用した課題解決ができることを魅力に感じました。

    私は元々製造業で研究職として機械学習やデータ解析の研究開発をしていました。また、従事する中でお客様自身がAIを理解していないとなかなか先に進めないことを課題に感じ、その課題を解決するためにビジネスパーソン向けのデータサイエンス教育の会社を立ち上げて活動していました。そんな中、今後のキャリアの主軸として何を目指して頑張りたいかを考えた時に、「自分は技術が好きだから、AIの技術開発を軸にやっていきたい、その上でより先端で高難度な課題解決に携わりたい」という思いから、松尾研究所に縁を頂き入社を決めました。また、松尾研がまだまだ発展途上であることや、松尾研自身もインキュベーション活動を行っていることから、自分の会社の立ち上げ経験を活かしバリューを発揮できるのではと思いました。

    ー実際に入社されてみていかがでしたか?

    清水:仕事面では、想像以上にプロジェクトが多種多様でした。業界やテーマの幅だけでなくプロジェクトの性質の幅も広いです。例えば有効なプロンプトを探索しすぐにプロダクトとしてリリースするものもあれば、3~4年かけて腰を据えて進めるプロジェクトもあり、テーマに飽きがこないのは面白いところです。データサイエンスの領域は飽きが来やすいというか、別の問題を解きたいと思ってしまうのですが、プロジェクトの幅の広さは非常に魅力的ですね。

    物体検知・異常検知、需要予測をはじめ、最近では生成AIの案件が増えてきていますが、こちらに記載されていない案件も数多くあります。最近は難易度の高いチャレンジングな取り組みも積極的に進めており、例えば下記のようなプロジェクトです。

    一つは、「世界モデル」というAIの技術領域を応用した自動運転分野への適用です。

    「世界モデル」とは、東京大学松尾・岩澤研究室が注力している研究領域で、人間だったら当たり前にやっている、限られた情報から世界の構造をモデル化しそれを学習によって獲得する、という仕組みになります。当社では松尾岩澤研の研究者に技術アドバイザーとして参画いただき、例えば自動運転においては、シミュレーターとしての応用や、認識機能や制御機能としての応用を進めております。

    参考:「世界モデル」とは何か? 知能の実現に向けて、松尾研が研究を推進する理由
    weblab.t.u-tokyo.ac.jp/20221130-1/(クリックすると東京大学松尾・岩澤研究室のHPに移動します)

    二つ目は、IoTプラットフォームを提供しているソラコム社と三菱電機社と取り組んでいる、空調機器制御のプロジェクトです。

    部屋の状況に合わせた快適性と電気消費量の最適化を行うもので、従来的な手法では検証に1年以上の時間をかけてしまうものを、大規模言語モデルの活用により数ヶ月でPoCの検証を可能にしたという事例です。

    本来であれば様々なパラメータから特定となる因子を見つけることが難しかったりもするのですが、その部分を大規模言語モデルの活用により検証のスピードを上げているところが特徴です。

    いくつか事例を紹介させて頂きましたが、このように様々なプロジェクトに関わることができるのは面白い点だと感じます。

    長谷:清水さん同様、私もプロジェクトの幅の広さは実感しているところです。また、課題解決・目標の高さにも驚きました。

    従来のAI開発では、性能の高いモデルを作ることで売上やコスト削減に貢献するものが多いですが、松尾研では「今のビジネスの構造を根本からゲームチェンジさせよう」という考え方を起点にプロジェクトがスタートします。また、社会課題をAIで解決していこうというプロジェクトもあったりするので、こんなこともやれるんだと感じました。

    また、新しい技術に触れることができる機会もかなり大きな魅力です。

    普通の企業のR&Dだと、その企業が取り組んでいるドメインの技術の情報は日々共有されますが、ドメイン外の情報はキャッチアップが難しいこともあります。松尾研では研究者との交流機会もあり、技術が好きな人が多いので、様々な分野の論文や記事が毎日のように共有されるんですよね。

    それこそ、キャッチアップに疲れちゃうくらい大量の情報が入ってくるので(笑)日々勉強しつつ、最新の情報も入れながら自己研鑽していくことができているところが良いなと思ってます。

    清水:本当に毎日誰かが「この論文いいよ」とSlackに共有していますよね。

    他の企業だと、成果を競い合ってしまうこともあり、なかなか部署を越えた交流も生まれづらいですが、我々はアカデミアで進んでいる基礎研究をどう活用するかという思いが強いので、交流の障壁が全くないなとは思います。また、松尾・岩澤研究室が公開している教育コンテンツや論文の輪読会などの機会を活用し、画像や言語など他分野の情報も学ぶことができて、キャッチアップの機会は本当に多いです。

    ー組織文化についても教えてください。

    清水:「自分ごと化する」「フラット」「技術で解決を楽しむ」という3点が特徴としてあります。

    「自分ごと化する」という点では、組織の問題を自分達で洗い出して、それを自分たちで解決していこうという取り組みを進めています。課題解決ダッシュボードという、組織の問題を置いておく場所を作っているのですが、誰か1人が担当としてやってください、ではなく、誰もが起案し、誰もがそのボールを持ってみんなで組織を良くしていく、ということをやっています。

    「フラット」という点では、知識や知見をみんなが互いに発信し合って組織のナレッジを貯めていこうという文化があります。私はSIer出身ですし長谷さんは製造業とか、あとベンチャー出身の人もいたりと、本当に多様なバックグラウンドを持つ人が集まっているのですが、そういう尖ったスキルをみんなで持ち寄ろうという動きが強いですね。

    「技術で解決を楽しむ」という点では、自分たちの業務をまずは自分達がAIを使って効率化しよう、ということで、AIハッカソンというものを自主開催しています。

    参考:松尾研究所「AIハッカソン」開催レポート
    zenn.dev/mkj/articles/8c080eb8ea2fd2

    自分達ができないのにお客様の業務効率化なんてできない、ということで、開発を1ヶ月間で進め、これを基に論文調査やナレッジ蓄積を行い、実際に業務で使って、お客様にもそのノウハウを還元する・・というサイクルを作っていきました。

    また、組織の人員が今後何人必要になるか、という問題もロジックを組めば出そうと思えば出すこともできるのですが、「これって最適化の問題と同じように解くことができるのでは?」とみんなで取り組んでみたりしています。とにかくデータサイエンティストのチームメンバーはデータ分析、AIがとにかく大好きで、技術の可能性を信じてるからこそ、技術で解決を楽しむことができる。この文化が私たちの良い成果に繋がっていると考えています。

    長谷:自分は今挙げていただいた3点の他に、想像以上に意思決定や挑戦意欲がある組織だと思いました。

    清水さんがお伝えした「課題解決ダッシュボードを作って解決しよう」という話は、実はSlackで「これやりたいですね」という話が出て、「いいですね!」と話が進み、その日中に雛形ができてしまう、このくらいのスピード感で進んでいったんです。1週間後のミーティングで決めましょう、というのでも十分早いと思うんですが、1日単位で何かしらの意思決定がなされ、解決に向けて前に進めるところは本当に魅力的だなと思います。

    ー最後に、未来の仲間へのメッセージをお願いします。

    清水:好奇心を持ち、自分で課題を解決したい人には最高の環境だと思います!積極的に情報発信をしたり後輩の育成などデータサイエンスをリードしてきた人材が多く在籍していますので、まだまだスキルを磨きたい人にとっても良い環境を提供できます!

    長谷:新しい技術を使った課題解決に興味を持ち、変化やチャレンジを楽しめる方には最高の環境を提供できると思います。また、最高の環境を一緒に作りたいと思っていただける人とぜひご一緒したいです!

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  • 世の中に波紋を起こす、松尾研コーポレート部門の“攻め”の仕事とは?

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    プロジェクト詳細

    「コーポレート部門というと、通常の組織では“守り”の仕事が多いと思います。しかし、松尾研究所では“攻め”の仕事も担っています。池に石を投げ込み、最初の波紋を起こすのが松尾研究所の存在意義。それにしたがいコーポも世の中に先例のない仕組みづくりに挑戦しています。」と話すのは、松尾研究所のコーポレート部門を統括している久保田陽登美さん。

    現在、弊社では、共に“攻め”の仕事に挑む、人事や財務、マーケティング、情報システムのリーダー候補を募集しています。最初の波紋を起こす仕事とは果たしてどのようなものなのでしょうか。「人生で成し遂げたいことに向かって日々自分が進んでいる実感を持てる組織」と語る久保田さんに伺いました。

    東大松尾・岩澤研とビジョンを共有するベンチャー

    ─そもそも松尾研究所とはどのような組織なのでしょうか?

    東京大学大学院工学系研究科の松尾・岩澤研究室とビジョンを共有するベンチャー企業です。
    以前から松尾豊教授は多数の企業と共同研究に取り組んでこられていましたが、昨今のAI市場の拡大・発展により、”研究”ではなくソリューションやシステムの”開発”を求められることが増えてきました。

    そこで、開発を担う組織として2020年に設立されたのが、松尾研究所です。松尾教授の10年来の盟友である川上を中心に、有志によって立ち上げられました。松尾教授は技術顧問として関わっています。

    AI技術の専門的な見地から「日本の産業を変革する」

    ─松尾研究所のミッションは何でしょうか?

    大学・企業・スタートアップで構成される産学共創のエコシステムの一翼を担い、AI技術を社会に届ける送電網となることと、事業活動を通じ人と社会の成長を後押しすることです。
    弊社は、国立大学である東大の研究室に伴走している大学発ベンチャーなので、社会からの付託を背負っている組織と自認しています。

    現在の中心事業は、AIソリューションの開発です。しかしスコープが決まった開発案件を進めるというわけではなく、深層学習技術の専門的な見地に立ち、経営戦略に資する示唆出しが常に期待されています。議論が局所最適に陥っていると感じたら、時にクライアントであっても率直にお伝えしますし、我々がやりたいことに誘導するようなポジショントークをしないことも貫いています。

    クライアントひいては社会にとって、成長課題を乗り越えられるような本質的な価値を、AI技術を通じ提供するのが、私たちの役割です。

    ─高い視座から物事を見ているわけですね。

    松尾研究所には全社員が意思決定・行動の際に重視する判断基準が3つあります。そのひとつが、まさに「高い視座・広い視野」です。単なるお題目にとどまらず、それを実践しています。

    全社員が意思決定・行動の際に重視する判断基準”松尾研Value”

    よく競合は?という質問をいただくのですが、私たちの根底には「AI技術を通じ日本の社会・産業の成長のボトルネックを突破したい」という強い気持ちがあるので、国内のすべてのAI企業は切磋琢磨する同志と捉えています。

    あえてライバルをあげるとしたら、イーロン・マスクという話は社内でもよく出ます。世の中にインパクトを与えるという意味で、彼に比肩する人物はそういない。我々も負けてはいられない、と考えています。

    非上場でキャピタルゲインと同じぐらいの報酬設計をするには? 前例のない“攻め”の仕事に取り組む

    ──そんな松尾研究所が、コーポレート部門のメンバーを募集し始めたそうですね。

    人事、財務・経理、広報、情報システム、法務など、さまざまな分野のプロフェッショナルを求めています。今も「神7」と呼んでいる優秀なメンバーが7人いて、役割分担をして業務を遂行しているのですが、「神15」ぐらいにしたい。

    ──なぜそれだけ多くの分野のプロフェッショナルが必要なのでしょうか。

    理由の一つは、年間20~30人ペースで社員が増えたことで、ヒト・カネ・情報の還流がハイスピードになり、業務量が急増したことですが、もっと大きな理由があります。
    それは、前例のない仕事に取り組む必要があることです。

    ─前例のない仕事とは?

    弊社はヒト・カネ・情報・ブランドが主な資産です。それらを上手くマネジメントして経営目標を達成するのが私たちコーポレート部門のミッションですが、その目標を達成するには前例のないやり方をする必要があると考えています。

    たとえば、今の課題の一つが、「いかに自分でベンチャーを上場させたのと同じぐらいレバレッジの効いた報酬設計をするか」です。

    優秀な社員には、その働きに報いた報酬をお渡ししたいと考えています。松尾研究所で働いているメンバーは自分たちで起業したいという気持ちも持っているし、その能力もある。そういう優秀な社員にうちで働き続けたいと思ってもらうには、起業して上場し、キャピタルゲインを得たのと同じぐらいレバレッジが効く報酬設計をすることが必要です。

    ─取り組みがいがありますね。しかし…

    難題です。創業者が得られるキャピタルゲインと同じだけの報酬を企業勤めで実現する、ということですから。

    答えは教科書には書かれていないので、前例を持ち込むだけでは解決できません。自分自身の視座を必死に引き上げながら、教科書にない方法をどうにか自分たちで設計しなければなりません。つまり、松尾研究所のコーポレート部門の仕事は、未知のものに果敢に取り組む“攻め”の仕事なのです。

    スキームを確立し拡げれば、日本の大学発ベンチャーの世界が変わる

    ──攻めのコーポレート部門、魅力的な仕事ですね。

    ただ、私たちは“攻め”ながら“守り”をしていく必要もあります。

    繰り返しになりますが、松尾研究所は、AI技術を通じ社会の発展に資する責任を背負っています。
    その社会からの付託に応えていくためには、あらゆるステークホルダーに対して、透明性高く、誠実な経営をおこなう必要があります。自分たちが誠実であるためには、堅牢な管理体制をつくらなければなりません。

    ──イケイケドンドンの“攻め”一辺倒ではいけないわけですね。

    ベンチャーらしく柔軟でありながら、堅牢でもある。そんな相反する2つを両立できるスキームをつくることが大切だと考えています。スキームが確立すれば、松尾研究所だけにとどまらず、他の大学発ベンチャーなどが模倣できますからね。そうして日本中に広がっていけば、日本の大学発ベンチャーの世界は変わると思うんです。

    ──ベンチャーが活発化すれば、日本の産業界を変える大きな力になりますね。

    以前、弊社の社長である川上が、こんなことを言っていました。「我々は、池に石を投げ込み、最初の波紋を起こす存在なんだ」と。

    前例のない仕事をして波紋を起こせば、苦難もあるし、時に人から煙たがられることもあるでしょう。しかし、波紋が広がることによっていろんな議論が起きたり、もっと良い方法が生まれたりすると思うのです。

    松尾研究所はAIを用いた仕事によって波紋を起こしていますが、コーポレート部門もまた「池に石を投げ込み、波紋を起こしていく」石になりたいと思っています。

    専門知識を持ちつつ横断型の意思決定ができるか

    ──そうした前例のない仕事を一緒におこなうメンバーに求めることはありますか?

    専門知識を持ちつつ横断型の意思決定ができる人」です。

    もう少し噛み砕くと、何らかの分野のプロフェッショナルでありながら、他の分野のことにも知見を持ち、総合的に物事を考えられる人。たとえば財務のプロフェッショナルでありながら、人事や法務などの観点からも物事を見て、判断を下せる人です。

    そうでなければ、前例のない仕事はできません。たとえば、先ほどお話しした、「活躍する社員が自分でスタートアップを創業するのと同じぐらいレバレッジの効く報酬設計をする」には、財務や人事などの横断的な知識が必要ですよね。

    確かにそうですね。

    さらに、弊社はベンチャー企業ですから、事業や組織などの内部環境もどんどん変わっていきますし、会社を取り巻く外部環境も変わるので、それに応じて自分を柔軟に変えて軌道修正していくことも必要です。

    そんななかで質の高い仕事をするためには、常に進化し続けなければなりません。これまで自分が身につけてきたことをアンラーンして、他部門に敬意を払いながら、どの分野も標準レベルの受け答えができるよう食らいついて学習するしかありません。

    ──専門知識や経験にあぐらをかいていてはいけないと。

    そういう私はどうなのかというと、2020年に松尾研究所に入ってから、学習し続けてきました。

    入社前は研修企画や新卒採用なども経験していたので、入社直後は人事にアサインされたのですが、中途採用や人事考課制度の設計はしたことがなく、面食らいました。さらには財務担当者の退職に伴い、財務諸表を月次で更新する仕事も未経験で担当。それに関連して法律も学ばなければならないし、広報活動もしなければならない…。

    そこで自分の業務知識のレベルを高めるために、本を読みあさったり、士業の先生にすがりついていろいろ教えていただいたりしました。体系的に学ぶことも必要だと感じ、国内のビジネススクールにも2年半ほど通いました。働きながらビジネススクールに通うのがこんなにツラいとは(笑)。

    ──忙しい日々のなかでそこまで学んでいたんですね。

    でも、必要なことでしたね。私は経験が足りなかったので、その分苦労も大きかったのですが、プロフェッショナルの方も、すべてにおいて経験や知見を持っているわけではないと思うのです。そうした方が、専門分野に関してアップデートし、専門分野でないことも学習する。そのうえで横断的に物事を考えて意思決定すれば、無敵だと思うのです。

    そんなマインドを持っているプロフェッショナルの方に入社いただき、切磋琢磨しながら一緒に仕事ができれば嬉しいですね。

    研究者カルチャーから醸成された「高い視座・広い視野」

    ──久保田さんから見て、松尾研究所やコーポレート部門の良さとは何でしょうか?

    繰り返しになりますが、メンバーが「高い視座・広い視野」で仕事に取り組んでいることです。

    誰でも経験があると思うのですが、働いていると本質的な価値とは程遠い仕事をしなければならないことがあります。「なんと無意味だろう」と思いながら、しぶしぶとするわけですね。

    しかし、松尾研究所で働いていると、そうした瞬間がまったくありません。皆が本質的な価値を追求しているし、局所最適ではなく、日本や社会のためになることとは何かと考えて仕事をしている。そういう松尾研究所のカルチャーが私はすごく好きですね。

    ─なぜそういうカルチャーが醸成されたのでしょうか。

    おそらく、根っこに研究者カルチャーがあるからだと思います。

    研究者は目先の利益を追うよりも「本当にそうなんだろうか」と真実を探求したい思考を持っていると思うのですが、松尾研究所のメンバーも、研究者以外の担当者も含め、まさにそういう人たち。「本当にそれでいいんだろうか」とずっと考えているんですよね。

    クライアントや日本のこともそうですが、「自分の人生、このまま年を重ねて死んでいくのでいいんだっけ?」と、自身の生きる意味を考えている。だから、虚飾に踊らされず、本当に世の中にインパクトを起こすこととは何か、と本質的な価値を追求し続けられるのだと思います。そういう視座の高いメンバーと経営談義をしていると、私も局所最適の思考から本質的な思考に自分を引き戻せる、と感じます。

    キラキラした感じではないけれども、いぶし銀で、熱くて真面目。そうしたメンバーに囲まれたい人にとって、松尾研究所は最高の良い環境だと思います。

    成し遂げたいことに向かって自分が進んでいる実感はありますか?

    ──結びに松尾研究所への応募を検討している人にメッセージをお願いします。

    皆さんが人生において何を成し遂げたいこととは何でしょうか? その成し遂げたいことに対して、自分が進んでいる実感はありますか。

    もし進んでいる実感が持てない、日々ルーチン化した仕事を繰り返している、ということであれば、ぜひ松尾研を選択肢の一つとして加えてみてください。

    松尾研究所には、簡単に解けないさまざまな難題が大量にあります。その問題のなかに、みなさんが成し遂げたいことにリンクすることが必ずあるはずです。

    そうした仕事に日々チャレンジし続ければ、成し遂げたいことに向かって進んでいる実感が得られるようになるでしょう。気になる方は、まずカジュアル面談にお越しください。実は私も気軽にカジュアル面談に応募した結果、あれよあれよと今ここにいます(笑)。数年後には、あの時が人生の転機だった、と思えるかもしれません。

    「カジュアル面談でお会いすることを楽しみにしております!」
  • 「最短距離で本質的な課題解決を。」先端技術を社会実装し価値を生む、松尾研のシニアデータサイエンティストとは?

    Client

    Client

    プロジェクト詳細

    今回は、株式会社松尾研究所でシニアデータサイエンティストチームのリーダーである岡田 領さんに、本職種に求められる役割や実際のプロジェクトの進め方、今後の展望についてお話をお伺いしました。

    業界業種問わず様々なプロジェクトを長期間にわたって推進。

    ー松尾研のシニアデータサイエンティストの役割と、求められる力について教えてください。

    松尾研のAIソリューション事業のシニアデータサイエンティストは、AIコンサルタントと協働しながら、チームで連携し、クライアントの課題に対して技術的なソリューションを研究・開発・提供します

    求められる力としては、①AI実装力 ②チームリード力 ③顧客折衝力 の3点です。

    自分が携わったプロジェクトの例を挙げると、画像認識・異常検知・ロボティクス系の研究・開発プロジェクトです。他には「世界モデル」(※) という国内外で研究が進められている領域の産業界への応用を検討するプロジェクトや自己教師あり学習に関わる内部の探索的なプロジェクトなどもあり、リサーチからAIモデル構築、エンジニアリング、プロジェクト推進まで幅広い経験をさせてもらっています。

    ※世界モデル:外界(世界)から得られる観測情報に基づき外界の構造を学習によって獲得するモデル

    参考)「世界モデル」とは何か? 知能の実現に向けて、松尾研が研究を推進する理由。| 東京大学松尾研究室
    https://weblab.t.u-tokyo.ac.jp/20221130-1/

    プロジェクトは短くても半年から1年かけて取り組むものが多く、中には3〜5年という長期間に渡って続いているプロジェクトもあります。ただ、長期プロジェクトとは言っても、「この取り組みをより大きくしていきましょう」という議論が生まれ、当初の課題とは異なる課題の解決に向けた取り組みを進めることも多いため、同じことの繰り返しではなく、変化に富んでいますね。

    業界業種問わず多様なプロジェクトがあるので、常に自分がこれまで知らなかった領域のインプットが必要とされますが、面白く取り組ませてもらっています。直近は社会実装のプロジェクトは別に、LLMを使った自社プロダクト開発にも携わっています。

    プロジェクトを進める中で、数年後を見据えたより高い挑戦へ。
    顧客企業の技術リテラシーの向上も実感。

    ー実際にプロジェクトではどのような価値提供をしているのですか?

    プロジェクトによって成果は様々ですが、例えば私が携わったものだと、ある企業様にて工場の監視の自動化を実現しました。これまで人的にある工程を管理していたものを自動化できたため、異常を早期に検知することができ、製造ロスやコスト削減に繋がりました。

    最初はそのような具体的な課題解決から始まった企業様ですが、今ではプロジェクトを進める中でより組織としての本質的な課題解決に向けての取り組みを進めています。

    長期に渡ってプロジェクトを進める中で先方組織の技術に関する知識レベルもかなり上がってきているため、より発展した内容にアプローチできています。課題が解けることも勿論ですが、先方組織の知識レベルが上がることで、組織成長にも貢献できていると実感できることは大変嬉しいことの一つですね。

    純粋に顧客の中でも技術を用いてできること・できないことの解像度が上がっているため、今できることを踏まえて、数年後を見据えた高い目標に向けて共にチャレンジすることができます。

    また、松尾研はモデル開発に一番の強みを持っていますが、アウトプットを限定しているわけではありません。モデルを渡して終わり、ではなくケースバイケースでMLOpsの観点で支援・開発したりプロトタイプを作ったりと継続的に開発や支援も行っています。

    最短距離で本質的な課題解決を。
    価値を生み出す手段として、時に顧客への提案も。

    ーどのようなことを意識してプロジェクトを進めていますか?

    「最短距離で本質的な顧客の課題を解くためにはどうしたら良いか」を考えています。

    時に顧客提案を行う場合もあるのですが、これはビジネス力をつけたいというよりは、目的を最短距離で達成する上で必要なスキルがあれば活用したい、という考え方を持っています。

    全体の流れを見ることで本質的な価値提供のために何を捉えるべきかが分かってくるので、この関わり方が効率的だなと。AIの技術を使うにしても、価値を生み出すことができなければ意味がないので。

    そもそもの世の中の課題が全てAIで解けるかというと、限界がありますよね。

    データサイエンティストが本当に社会の課題を解いていくのであれば、AIの技術的見地に立ったものの見方だけではない、幅広い視点が必要だと思うんです。そういった観点から、データサイエンティストも最初の提案の部分から入り、提案書を書いて提案することもありますね。ビジネス的な価値がどう生み出されるかを、技術屋が考えてはいけないことはないと思うんです。

    こうした「価値を生み出す」という視点は、松尾研に来る前はあまり持てていなかったように思うのですが、(大学の)基礎研究の研究員の方も含めて、本当に社会に対する提供価値を強く意識してるんだなっていうのが、いい意味でのギャップでした。

    ーちなみに岡田さんは前職は何をされていたのですか?

    前職は、システム開発会社でエンジニアリングやアーキテクチャ設計、プロジェクトリードを担当していました。いわゆるSIerでは新しい技術をあまり使わないことが多いのですが、有り難いことに自分は先端技術を使ったプロジェクトに携わる機会に恵まれていて、AIやブロックチェーン技術を活用した開発に携わっていました。

    ですが、SIerは性質上保守や部分的な開発が多く、どうしてもスピード感が遅くなってしまう。より早く新しい技術価値を提供したいと考え、次のキャリアを考え始めました。

    最終的な候補として残ったのは、松尾研か事業会社かの二択。二つを比較した際に、事業会社は転職後のイメージができたものの、アカデミアに近い組織である松尾研は働き方や仕事内容があまりイメージできなかったんですよね。(笑)よく分からないからこそ面白そうだと思って、松尾研へのジョインを決めました。

    技術難易度の高い論文実装。
    好奇心をベースに、手を動かしながら先端技術をキャッチアップ。

    ーこれまでプロジェクトを進める上で、大変だったことはありますか?

    松尾研のプロジェクトでは最新の論文や事例がないような考え方を積極的に実装し、活用を検討します。ゆえに、既存のソフトウェアやライブラリのように安定して動作するものをベースにしていません。その点は技術難易度が高く難しい点であり、かつ面白さでもあったりします。

    それらを実現するためにはアルゴリズムやフレームワーク、ライブラリへの深い理解が求められます。また、様々なユースケースに対応できるよう設計されているライブラリなどとは異なり、論文は1つのケースをベースにして動かしているので、社会実装する場合は様々なケースに対応できるように自分達で設計する必要があるんです。実際に動かしてみないと分からないことも多いため、取り組む速さも求められます。この辺りが強いことは松尾研の大きな特徴ですね。

    ー新しい領域や技術のキャッチアップはどのように進めていますか?

    前提として、単純な好奇心はとても重要です。

    既存のルールや限界が技術で置き換わる瞬間や、新しい技術や手法が出た際に、それらがどう広がっていくのかを見るのも面白い。他にも、意味のある組み合わせを見つけて新たなものを生み出したり、既存のものを洗練することで新たな価値を生み出したり・・ということ自体が面白い。それらを面白がって、好奇心をベースとして「もっと知りたい」と思うことで自然とキャッチアップは進むと思います。

    その上で、技術を「学ぶ」ことと「使う」ことは全く異なります。

    書籍や論文を読むことは誰にでもできますが、チュートリアルを触るのと、社会実装の文脈で技術を扱うのでは全く次元が異なるので、最新論文を読んで、実際に社会実装の中で手を動かして・・と試行錯誤を重ねながら先端技術をキャッチアップしている感覚はありますね。

    情報を集める際には体系的に一から学ぶというよりも、その目的を達成する上で必要な要素というのは何かを考えながらキャッチアップを進めています。仮説を立てた上で、一番信頼できるであろう情報ソースを探して探すというか。論文であれば最新の論文を読み、そこで引用されている過去の論文を読み・・と広げていく感じですね。

    ープロジェクトメンバーである学生インターンは、どのような方達ですか?

    松尾研のインターン生は興味のあることに猛進できることが特徴で、「面白がって突き詰めることができる」ことは大きな強みです。優秀という言葉はあまり使いたくないですが、みなさん技術力やエネルギー値が高く優秀な方々です。

    年上だから年下だからということをあまり気にしないというか、普通に仲間として接する感じですね。当然、僕が社会人の先輩として経験しているものも多いので、その人の価値に繋がる部分があったら教えてあげることもあります(教えてあげるって言い方も偉そうですが)。別に学生だからと言って、社員に劣っているなんてことは全然なくて、技術的に強い部分は強いので、彼ら彼女らに学び刺激を受けることも多いです。

    技術発展の先を走る松尾研。
    高い技術力を土台に、頼もしい仲間と共により高みを目指す。

    ー在籍される中で、組織として変わったこと・変わらないことはありますか?

    「AI技術を用いて社会の課題を解決する」「チームで取り組んで価値を出す」というところは変わっていません。ですが、年々目指すところは大きくなっていると感じます。AI「だけ」で解決できる範囲はやはり狭いので、それ以外の手段も含めて、課題解決のために最適な手段を見つける、ということができてきていると思います。

    そういった思想は元々からあった気もしていて、組織の仕組み化が進んだことで、より効率的に元々本来目指すべきだったところを目指せるようになったんだと思います。

    元々の高いAI技術力を土台に、戦略ファーム出身のメンバー含め、様々なケイパを持つメンバーが入ってきたので、取りうる選択肢が増えてきた実感は持っています。

    ー最後に、今後の展望について教えてください。

    今後も目まぐるしいスピードで技術は発展していきます。しかし、松尾研はその先をいくような技術要素やアイディアに溢れている組織なので、それらを社会実装して価値に繋げるのが我々のチームがやるべきことですね。理想的には、作ったモデル全部を社会実装できるようにしていきたいなと思っています。

    (プロフィール)岡田 領
    東京理科大学理工学部経営工学科卒業。
    日本ヒューレット・パッカード(2017年よりDXC Technologyに分社)にて7年間在籍後、松尾研にジョイン。データサイエンティストチームリーダー。

    【現在募集中の求人はこちら】

  • 「日本の産業をより良くする」アカデミアに近い組織で顧客の課題解決に挑む、松尾研のAIソリューション事業とは?

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    プロジェクト詳細

    今回は、株式会社松尾研究所取締役でAIソリューション事業を統括している鈴木 慎司さんに、本事業についてご紹介いただきます。AIソリューション事業の特徴や目指すものについて知りたい方はぜひご覧ください。

    目指すのは、日本社会全体への寄与。

    ー松尾研のAIソリューション事業は何を目指していますか?

    抽象的ですが、「日本の産業をより良くしていく」ことを目指しています。松尾研が利益を上げることよりも、日本が成長することにどれだけ寄与できるかというところを真っ直ぐに見据えていることは最大の特徴です。

    我々は東京大学松尾研究室を起点に立ち上がっている組織ですので、「国全体を良くしていく」という思いが根底にありますね。指標として、日本のGDP向上への寄与を目標に掲げています。

    そのための手段として、深層学習の研究成果を応用し社会に実装することやAIソリューションの開発・提供に取り組んでいます。

    最新の研究成果をビジネスに適用することで、社会に大きな価値をもたらすと同時に、企業が持つデータの利活用を促進することにより日本全体の研究開発も加速させることを目指しております。研究を研究のままで閉じず、どう産業に応用させていくかという部分が試されていると感じます。

    そういった特徴を持つ組織ですので、「単なる実装・単なる研究をしたい」というだけでなく、その先の「社会・日本を良くしたい」という思いに共感できるメンバーが集まっているように思いますね。

    アカデミアに近い組織ならではの、公平中立な視点。

    ー松尾研AIソリューション事業の特徴について教えてください。

    顧客の課題を起点に各プロジェクトが動いていますが、事業課題に密接に結びついたものから、どちらかというと基礎研究に近いプロジェクトまで幅広い取り組みまであることは、松尾研のAIソリューション事業のユニークさの一つです。扱う業界の幅も幅広く、医療や建築、メーカー、教育、インフラ、メディア・・と多種多様な顧客との取り組みを推進しています。

    ーAIソリューション事業を進める上で、重視しているのはどのような点でしょうか。

    AIソリューション事業を開始する際に見ているポイントとしては、主に二つあります。
    一つは、我々の持つ技術で顧客の課題解決が可能かという点です。

    パッケージング化されたシステムでは解決できない難易度の高い課題に取り組ませていただくケースが多いのですが、実現不可能なものは当然無責任にお受けすることはできません。ですので、先行論文や事例を調査した上で、必要に応じてお取り組み開始前に先方のデータを頂きつつ、実行可能性を検証すべく、小さなPoCを実施した上でプロジェクト開始を決定する、という方策を取ることも多いです。

    それでもまだ分からない、という場合は、通常半年から1年での取り組み期間を想定しているものも、「まずは3ヶ月一緒に取り組みましょう」というスモールステップを設けて始めることもあります。

    もう一つは、顧客にとって経済的な合理性があるかどうかという点です。

    課題を解決しても、得られる成果が仮に「1人の工数削減」だけだとすると、費用対効果が限られてしまいます。顧客にとって投資するだけの価値が果たしてあるのかを、我々の方でも精査しディスカッションしています。先方の利益に繋がらないことはやっていただく必要がないと考えています。

    ーお話をお伺いすると、非常に真摯な向き合い方をされていると感じます。

    冒頭にお話した通り、「日本の産業をより良くしていく」ことを目的に掲げておりますし、かつアカデミアに近いポジションというところもあり、公正な判断・本質的な助言をするべきである、といった考えは強いですね。

    面接などでお会いする外部のコンサルタントの方が、「自社利益を出すことに寄ってしまい、顧客にとって本質的に良い提案をできない場合がある」とおっしゃっていたのを聞いたことがあるのですが、比較すると、松尾研では「顧客、そして社会にとって良いことをすべきだ」という方針がかなり強いことは特徴的だと感じます。

    顧客からも評判の高い、松尾研の技術力。

    ー松尾研AIソリューション事業に対する、顧客の期待について教えてください。

    課題を解決することができるということはもとより、それ以外ですと社員教育に繋がったという声もいただくことがあります。

    顧客側の社員がプロジェクトにアサインされることで、AIについて学ぶ機会を得ることができたことを契機に、プロジェクトに入っていない社員の方にも松尾研のAI教育を受けさせてもらえないか、という打診もいただくことがありますね。

    我々とのプロジェクトをきっかけに社内でのAI活用やDX推進に踏み出す、という動きは一定の顧客で見ることができます。

    あとはやはり技術力の高さには信頼と期待をお寄せいただいています。

    企業の開発チームが必ずしも研究に専念しているわけではないと思います。そのため、今世の中にある技術を活用して開発を進めていらっしゃいます。アカデミアとの架け橋を担っている我々は、開発チームの方々ではリーチしづらい点を差分として提供することができます。その点は価値を感じていただいていると思いますね。

    また、直近はChatGPTの盛り上がりに比例し、大規模言語モデル周りのご相談も如実に増えています。

    私たちとしてもこの技術がどのように活用できるのか企業の方とのディスカッションの機会のご提供も進めています。

    プロジェクトの実施後にアンケートを取っており、有り難いことに実施後満足度は非常に高いです。一方、達成難易度の高い抽象的な課題をご相談いただくことが多いため、高い期待値に対してそれ以上のものを返せているかというと、まだできることはある、という感覚はあります。引き続き、頂いた期待を超えるような価値提供に尽力していきたいです。

    —————————————————————————————-

    ※お取り組みに関するリリースはこちら

    ディップ株式会社様:https://matsuo-institute.com/2023/04/458/
    株式会社ZEALS様:https://matsuo-institute.com/2023/04/466/
    日本テレビ放送網株式会社様:https://matsuo-institute.com/2023/01/316/

    —————————————————————————————-

    AIコンサルタントとデータサイエンティストの連携により、
    プロジェクトを推進。

    ーAIソリューション事業を推進する組織について教えてください。

    主にAIコンサルタントとデータサイエンティスト、そしてインターン学生という役割で構成されています。AIコンサルタントは顧客企業のカウンターパートとして、顧客への提案活動を中心に行い、データサイエンティストはAIソリューション事業がスタートしてからのデリバーを中心に担っています。

    現時点では社員が20名程度で、AIコンサルタントとデータサイエンティストは互いの領域に染み出しながら密に連携しプロジェクトを進めています。

    ※AIコンサルタントの働き方に関する記事はこちら

    ー組織が拡大しているタイミングですが、現在のケイパビリティや課題について教えてください。

    自分がジョインした数年前はインターン生も含めて30〜40名規模だったので、組織の拡大は身に染みて感じています。

    ポジティブな点は、組織拡大と共に受け入れられる課題の幅や量が増えている点ですね。これまでのプロジェクト事例による過去の知見もあるため、それらを活かしたプロジェクト開始前のデータサイエンティスト側からの提案もより活発に行えるようになってきました。

    その結果、AIソリューション事業の取り組みの幅も格段に広がり、インターン学生も沢山受け入れキャパシティも増えています。

    インターン学生はAIソリューション事業を通して技術の社会実装経験を積み、結果としてプロジェクトをマネジメントするメンバーや、自身でスタートアップを立ち上げるメンバーも輩出しています。インターン学生については、企業の方々から優秀だというお声をいただくことも多く、技術力は勿論、アウトプットの質や提案スピードも高く評価いただいています。これまで授業で課題を解いていたところから、実社会のデータを使って課題を解くことに対して関心がある方々が多く、非常に学習意欲高く取り組んでいただいているので、そういった方々に集まっていただけているのは有り難い限りです。

    一方で、課題としてはマネジメントの部分ですね。インターン学生の割合が高い分、顧客との期待値調整やお作法に関しては社会人経験のあるメンバーの方が勿論経験値が高いため、メンター制度や全プロジェクトに社員が関わる体制を構築しています。

    ーこの組織で働く魅力はどのような点でしょう?

    AIソリューション事業全体の魅力でいえば、繰り返しになりますが、「日本を良くしていく、産業全体に寄与できる」というポジションにいる点です。

    また、個人的には最先端の研究や技術、最新動向を最前線で触れることができる点に魅力を感じています。

    また、論文の輪読会や、論文実装の勉強会コミュニティといった学びの場も開かれていますし、周りに優秀なエンジニアやインターン学生がいるため、切磋琢磨しながら自身の技術を伸ばしていける環境も、魅力の一つだと思います。

    より大きな社会的インパクトを目指し、事業の方向性を柔軟に検討。

    ー今後のAIソリューション事業の展望について教えてください。

    プロジェクトの質と量をどちらも高めなければいけないと考えています。

    例えば、AIの社会実装だけではなく、そもそもの組織のDXから進めなければいけないという話も出ていますね。

    例えば、AI実装をしようにも、元データが揃っていなければ高い精度を出すことができません。ですので、その前段階のアナログな部分のデータ化を推進する必要があるよね、というような、本質的に提供する付加価値は何かということを深堀りできる余地があると考えています。

    また、現在はモデルの提供を行っているのですが、実際のシステム開発も必要だと考えており、これは我々の中で組織を編成して進めるのか、外部の企業と連携して進めるのかは模索中です。

    あるいは、プロダクト開発する必要もあるのではという議論も進んでいます。我々で研究した技術をプロダクトという形で広く世の中に提供していくことに価値があると考えれば、その方向にも舵を切る可能性もあります。

    いずれにせよ、社会に対してよりインパクトの大きな価値提供をしていかなければいけないと考えているため、現状のやり方に拘ることなく、価値提供の方法は柔軟にアップデートしていきたいと考えます。

    ー非常に大きな目標を掲げていると思うのですが、鈴木さん自身はこの目標をどのように考えていますか。

    常にゴールが前に前に進んでいる、という感覚があります(笑)

    より良い場所、高みを目指している感じはしていますね。

    入社当時は「企業の一部門でもAI実装できている状態をきちんと作ろう」という話だったのが、最近はそれだけだと一部門、一部署の貢献にしか寄与できていないという議論になり、企業、そして産業全体に寄与するのであれば何が必要かということを模索するようになりました。これまでもAIソリューション事業は毎年160%成長を続けていますが、辿り着いたと思ったらまだまだ先を見据えている、そんな感じはありますね。

    大きな目標を掲げているため、勿論きついこともありますが、この役割の中で日本を変えられる可能性があるのではないかと本気で思っているので、かなりワクワクすることができています。

    ー最後に、未来の仲間へのメッセージをお願いします。

    前述の通り、目標が年々高くなることがある組織ですので、その結果、新しくチームができたり、やるべきことが変化することも多いです。そのため、変わることを楽しめる方に向いている組織だと感じます。チャレンジングな目標もどんどん立ち上がるので、それらを前向きに捉え、受け入れる柔軟性を持った方に入ってきていただけると嬉しいです。松尾研のAIソリューション事業に関心を持ってくださった方は、ぜひ面談でお話ししましょう。

    【現在募集中の求人はこちら】

    (プロフィール)鈴木慎司

    名古屋市立大学経済学部経営学科卒業
    日本生命保険相互会社入社、支社にて現場支援に従事。
    本部へ異動後はコンプライアンス統括部にて金融庁対応や個人情報保護に関する全社対応を実施。
    その後、株式会社ニッセイ基礎研究所へ出向し、財務、経理、社内インフラ全般2年、経営戦略策定、考課・人事制度運営、広報・イベント運営等に4年携わる。
    2020年より、株式会社松尾研究所に参画。企業とのAIソリューション事業の責任者となり、2022年より取締役就任。
    他、東京大学松尾研究室学術専門職員、株式会社MK Capital取締役

  • 松尾研の人事評価制度や働き方について、HR担当がお伝えします!

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    プロジェクト詳細

    今回は、ITコンサルタント・人事コンサルタントを経てHRとして松尾研にジョインされた鈴木麻央さんより、松尾研の人事制度や働き方をご紹介いただきます。評価項目や社員間のコミュニケーションまでざっくばらんにお伝えいたしますので、松尾研での働き方にご興味のある方は是非ご覧ください。

    組織の成果最大化と共に、
    個人の成長を促す人事評価制度。

    ー松尾研の人事制度について教えていただけますか?

    当社は2020年に立ち上がった比較的新しい組織になりますが、私自身入社して驚いたほど(笑)しっかりとした制度があるので、ぜひご紹介させてください。

    松尾研における人事制度(評価・等級・報酬)は、組織にとっての成果の最大化を第一の目的にしつつも社員の皆さんの行動変容を促し成長につなげていただけるような形で設計し、運用しています。

    今回は評価制度についてご紹介させてください。
    現在の運用では、以下3つを組み合わせて評価を行っています。

    この中でも等級が決まる①行動評価についてご説明しますね。
    行動評価の対象とする「松尾研に求められるコンピテンシー」としては、下記8項目を設けています。

    これらの項目は、高い目標が課される組織の中で、社員にご自身の役割を認識し、成果に繋がり得る行動を取ってもらうことを目的に設計をしています。

    例えば、コンピテンシーの1つに「チャレンジする」があります。
    組織として、「チャレンジする」姿勢は役職や役割問わずどのポジションにおいても求められるもの、結果を出すためには必要不可欠、と考え設定している形です。

    成果を出すために考える・検討することも当然大切ですが、考えているだけ・口だけではなく、とにかく行動をする。そして、その行動を基に高速でPDCAを回して改善に繋げていくことが求められる。松尾研はそのような組織です。

    「チャレンジする」にあたり、それらの行動が松尾研全体の目的に沿っているか(「組織の目標や価値を考えて、業務を遂行する」)、必要な情報を集めることができるか(「必要な情報を収集する」)、自分だけではなく他人を巻き込むことができるか(「適切な人を巻き込む」「後輩や同僚の成長に貢献する」)という点も項目に含まれていますね。

    また、優秀な学生と近い距離にある組織ということもあり、社員自らも自身をアップデートし社会に求められる人材になっていくことが期待されるため、「自己研鑽を続けている」という項目も設定してます。

    話はそれますが、これらのコンピテンシー項目に対する行動発揮度は選考の中でも採用候補者の方にお伺いしています。

    直近2〜3年でご自身が取られた行動を事前にご共有いただき、面談の中でコンピテンシーの発揮度を確認、入社時のオファー内容に反映させていただいてます。

    こちらの選考にあたり多少事前準備のお時間はいただいてしまうものの、候補者の皆様の入社後のご活躍を見据えた選考をしたいという意図がございますので、ぜひご協力いただけますと幸いです。

    ムーンショットを求めるからこそ、
    行動にフォーカスし高い壁に挑んだ挑戦を讃える。

    ー鈴木さんは人事コンサルとしてこれまで数々の企業の人事制度に触れる機会があったと思いますが、松尾研の人事制度におけるユニークネスはどのような部分でしょう?

    ここまでしっかり社員の行動をもとに評価をしている点は珍しいと思います。

    勿論成果を求める前提ですが、コンピテンシー項目に対し、その人の1年間での行動をダイレクトに反映した形で等級・ベースとなる年収を決定します。その年にコンピテンシーをレベル高く発揮していただければ、大きく報酬が上がる仕組みです。他企業であれば、年次をベースとした給与アップや、コンピテンシーではなくスキルで評価する場合も多いため、その点はユニークだと感じますね。

    このような評価制度を運用している背景には、松尾研が目指す目標を達成するのは決して簡単ではないということが挙げられます。どのチームも毎年5〜10%の成長を目指すことを求められるのではなく、「来年この活動規模を5倍にするには?10倍にするには?」という思考と目標設定が求められるんです。これはチームだけではなく、一人一人の社員についても同様です。

    (一社員として、私自身が成長しないと実現できない目標も多いので「大変・・!」と思うことはありますが)そのようなムーンショット的な高い目標を追い求めるため、どう行動したかにフォーカスし評価するという点は松尾研らしさだと感じています。

    周囲の仲間に真摯に向き合い、
    目標の実現に向け手を取り合う。

    ー松尾研での仕事の進め方として、周囲との関わりはどの程度あるのでしょう?

    所属するチーム内はもちろん、チームを超えた協業は日常的にあります。

    まさしく、コンピテンシーの「適切な人を巻き込む(相談する)」を体現している状態ですね。

    「結果へのこだわり」を持つことはどのポジションにも求められるのですが、そのスタンス・思いを持っている限り、リーダーや周りのメンバーは全力でサポートしてくれます。

    各チームの目標と進捗は、良い点も課題点も、全社員が参加する定例会議や週次報告で随時共有されます。それを知った上で、チームの枠を超えて協力しようという前向きな思いを持って手を貸してくれる社員ばかりです。手前味噌ながら、本当に良い組織だと思います。

    協力を得るために必要なこととして「結果へのこだわり」と挙げました。これは冒頭でご共有した評価制度 ③松尾研メンバーシップで定義している、松尾研で働くために求められる基本マインドセットの1つです。「結果へのこだわり」の他、「リスペクトとフェアネス」「ディグニティ」も基本マインドセットとして設定しています。

    結果を出すために他人を利用する、自分では手を動かさずに周りにやらせるという働き方はもってのほかです。互いへのリスペクトを前提に、各々がオーナーシップを持ちながらチームを超えてフォローし合う、そんな形で皆が働いています。

    豊富な学びの機会に手を伸ばしやすい環境。
    個人のチャレンジを応援するカルチャー。

    ー松尾研内の学びの機会にはどのようなものがありますか?

    制度面でいうと、例えば書籍を上限なしで購入できる制度や、輪読会などの勉強会に自由に参加できるものがあります。

    エンジニアメンバーからは、GPUリソースを心置きなく使用することができることや、自身の希望するスペックのPC(Mac/Windows問わず)を自由に利用できることが魅力だという声も挙がっています。環境に制限されることなく、技術研鑽に正面から向き合える体制が整っているのではと思いますね。

    組織カルチャー面でいうと、研究メンバーと距離が近く最新技術に関してもすぐに情報が入ってくる環境があります。また、分からないことについて聞けばすぐに教えてくれるので、技術面を学びたいという意思のある方にとっては大変充実しているかと思います。

    Slackでは日々最新論文がシェアされています。

    業務の幅を広げるという意味では、(本業での成果が前提ですが)起業しているメンバーがいたり、チームの垣根を超えて業務をするメンバーがいたりと、各々のチャレンジは前向きに受け入れられます。

    メンバーの経験・チャレンジについては、記事でもまとめているので是非ご覧ください!

    ◆入社3年目で最速で役員へ。データサイエンティストが経験した松尾研での0→1の新規事業開発と今後の展望。
    ディープラーニングのその先へ。脳・神経科学の知見を活かし、ブレイクスルーを目指す。
    経営視点の戦略立案 × 技術志向で企業の5-10年先を照らす提案に臨む。
    「GAFAにも通ずる組織構造。」R&Dによる価値創造で産業を変える「攻め」の経営企画とは?

    多種多様な働き方の社員が在籍。
    社員同士の交流の機会も。

    ー社員の働き方やコミュニケーションについて教えてください。

    原則フルリモートでの勤務となるため、地方から働いているメンバーもいます。業務に応じて出社いただくことや、年に何度か任意参加で全社で集まる機会はありますが、オンラインコミュニケーションがベースですね。2週間に1回くらいの頻度で出社しているメンバーが多いです。出社した際は、会社のSlackで呼びかけて時間を合わせてランチに行くこともよくあります。

    社内のランチ呼びかけチャンネルにて

    現在は20〜30代の社員が中心で、パパママ社員も多数在籍しています。育休産休制度はありますし、フレックス制も導入しているため、お子さんの子育てとの兼ね合いで朝8時から夕方前まで働いている社員ももちろんいます。ご家庭の事情で、突然お子さんが熱を出したり…ということもあるため、そのような場合は周りのメンバーでフォローしあって業務を進めていますね。

    メンバーのtimesチャンネルでは育児あるあるなこんな投稿も・・

    どうしても遅い時間帯に業務が入ってしまう場合は、他で休暇を取得してもらいライフワークバランスは取っていただいています。

    兼業副業も可としているため、例えば本業とは別にカメラマンの副業をしている社員や、先ほどお伝えした通り起業をしている社員も在籍しています。

    どうやら「松尾研」と聞くと、「AIで全て回しているのではないか」「機械的なコミュニケーション・働き方なのではないか・・」と思われてしまうことも多いようなのですが、全然そんなことはないです(笑)

    懇親会・交流会も定期的に開催していますし、時間が合えばランチはもちろん、業務後にお酒を飲みに行くこともあります。クラブ活動もあって、マリンスポーツを楽しんだり、サイクリングに行ったり、ボドゲをしたり・・、人間らしく(笑)楽しんでいます!

    松尾研御用達・オフィス近くのビアバーにて

    マリンスポーツ部でSUPを楽しんだ際の一枚

    社会を変えうる高い目標。
    一緒にワクワクできる方と働きたい。

    ー改めて、HRという立場から見て松尾研の組織の魅力について教えてください。

    繰り返しですが、組織として誰も到達したことのないような高い目標を掲げて、それに向かって全員がストレッチしてチャレンジしているんです。

    高い目標に対して「え・・!?」と苦笑いしつつもワクワクしながらオーナーシップを持ってやりきる。志を持ちつつも闇雲には動かずに高速で仮説検証を回してスピードを持って前に進めていく。そんなところが松尾研らしさだと思います。

    これもお伝えした通りですが、他チームの状況は随時確認ができるので、各社員が自分の仕事は進めつつも周りの仕事をどうサポートできるかを考えながら動いていて、組織間の壁はなくチームワークがある組織だとも感じています。

    皆さん人柄は大変素晴らしく、意地悪な人も組織に悪影響を及ぼす人もいないですね。

    既に魅力に溢れた組織であると自信を持って言えるのですが(笑)、創業3年を迎え益々組織拡大を目指すタイミングなので、「松尾研の中でもっとチャレンジしたい」「一緒にチャレンジする仲間を増やしたい」と思ってもらえるような育成体系や各種制度は一層整え、更に魅力を磨いていきたい!と、HRとして思っています。

    ー最後に、これから一緒に働く方へのメッセージをお願いします。

    松尾研のビジョンに共感してくださり、高い目標に苦笑いしつつも「よし、やってみよう!」とワクワクしながらチャレンジできる方とご一緒したいです。上記でお伝えした以外にもお伝えできる魅力はまだまだたくさんございますので、ぜひ気になる方はカジュアル面談でお話ししましょう!

    お会いできることを心より楽しみにしております!


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  • 「AI教育は社会変革のための手段。」スピード感を持ち事業を推進する、AI教育事業ディレクターの挑戦。

    Client

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    プロジェクト詳細

    今回ご紹介するのは、社会人教育の領域で経験を積んだのち、株式会社松尾研究所にてAI教育事業を推進する大牧 信介さん。「教育は社会的インパクトが大きい」と語る大牧さんに、これまでのご経験やジョインの背景、AI教育事業の全貌についてお伺いしました。

    産業や社会を変革する、教育領域での経験。

    ーこれまでどのような経験をされてきましたか?

    大手企業向けに経営人材育成や組織開発、新規事業開発の支援を行なってきました。

    半年から一年の経営人材育成プログラムを各社の経営環境・事業特性に合わせてカスタマイズして設計します。企画設計から、戦略・マーケティング・リーダーシップ、自社課題提案の講師として、多くの業界・プログラムに携わってきました。

    新規事業開発の支援では、企業内のビジネスコンテストの企画運営支援やスタートアップとマッチングをして新規事業案を創るアクセラレーションプログラムなども提供してきました。

    ー現在の業務に通ずる部分もあると思いますが、社会人教育の面白さを感じたのはどのような点ですか?

    選抜研修の受講者が、3年・5年・10年で企業の経営幹部や役員、社長になっていくことですね。研修の場で自社の経営課題に対する解決策や新規事業案を提言するのですが、実際に受講者が事業のトップ、経営トップになり、当時の提言内容を実現されています。そういった変革の現場を作ってそれを目撃できるのが、この仕事の醍醐味ですね。3年・5年という時間軸は長めですが、単一・短期のプロジェクトとは違い、組織の変化と事業の成長の両面を見ながら、伴走出来る点が面白いです。

    教育というと、つい個人の知識、スキルの向上だけに目が行きがちですが、組織を変え、事業を創り、産業・社会を変革するまで視野に入れると、教育は社会変革をするための手段と考えています。

    Article content

    技術への手触り感を求め、AI教育の領域へ。

    ー なぜ松尾研にジョインしたのですか?

    20年程度在籍していたので、なんとなく違うフィールドを探していたことに加え、問題意識として、「デジタル技術への手触り感のなさ」がありました。2013年頃に技術経営の修士も取得しましたが、文系出身でビジネス教育が中心でしたので、経営を考える上で、技術の視点から経営を理解したいというのが根底にありました。私自身もビジネスサイドからDX戦略の講義等をしていましたが、AI・デジタル技術がどのように実装され、どんな難しさがあるのかを正しく理解したいと思うようになりました。丁度そんな問題意識があった時に、松尾研がAI教育をやっていることを聞き、面白そうだと考えました。

    松尾研の提供しているAI教育コンテンツについては、全くの素人でしたが、教育プログラムの企画・設計、講座提供、AIを活用した事業開発におけるビジネス視点など、これまでの経験値を活かせるので、うまく融合できそうだと思い、ジョインしました。

    今後の社会に必要なスキルを学ぶ手段として、AI教育事業を提供。

    ー松尾研ではどのようなAI教育事業を展開しているのですか?

    松尾研では、これからの社会で活躍する人材に必要な要素として、①仮説思考 ②デジタルスキル ③目的思考 の3点を挙げています。その中でも、重要視しているのはデジタルスキルです。なぜならデジタルスキルをベースにすることで、仮説思考においては仮説検証のサイクルをより高速に回すことができ、目的思考においては技術の動向を捉えることで未来を構想する解像度が上がり、そこから逆算して現在の課題を捉えることができると考えるからです。

    Article content

    この「デジタルスキル」を身に付けるための手段として、AI教育事業にて「AIプロジェクトリーダーコース」と「デジタル新規事業リーダーコース」を企画・準備中です。

    また、松尾研究所は東京大学松尾研究室とビジョンを共有し、伴走する組織です。企業憲章にも記載の通り、個社の利益最大化を目指すのではなく、公に利益を還元していく組織と自認しています。故に、社会全体・産業全体に対する最適化の視点で研修プログラムを検討し、提供できることが特徴と考えます。

    実は香川高等専門学校を起点に、毎年100人以上の全国の高専生向けにオンラインでAI講座を展開し、高専生のAI教育と起業家支援もしています。この取り組みでは、受講した高専生がDCONというディープラーニングを活用したビジネスコンテストに参加し、見事受賞したという実績もあります。これはビジネスとして地域課題の解決に繋がる取り組みとして進めており、公に資する組織である松尾研だからこそできることだと感じています。

    Article content

    ー研修を通して受講者は何を得られるのですか?

    プログラミングを学び、個人で実装経験を積めることが大きいですね。最初は四苦八苦しながら取り組みますが、試行錯誤を繰り返すうちに、ちょっとしたコードを書けるようになってきます。ノーコードのWebアプリも使いながら、実際に作ってみて動かす体験もします。知識の理解にとどまらず、実際に手を動かし体験的に理解することを重視しています。

    しかし、個人でできる感覚を掴んだとしても、組織の中で成果が上がるわけではありません。受講者が研修の中で小さい成功体験を積んだ後、自社のAIプロジェクトを構想し、進めていくことができるように、松尾研のAIソリューション事業との連携も行っていきます。

    とはいえ、このプログラムではビジネス系人材がAIエンジニアになることを目指すのではありません。あくまで、AI技術を体感的に理解することで、AIでできること・できないことを峻別し、インパクトある課題設定と実現可能なソリューションの方向性を設定できるようになることを目指します。また、AIプロジェクトにおいて、企画者としてエンジニアチームと共通言語を持ち、互いに適切なコミュニケーションができるようになります。


    ー教育領域での長年の経験を通し、教育に対してどのような思いを持っていますか?

    教育によって変わるか変わらないかは本人次第だと思っています。提供側が、考え方を変えよう、行動を変えようというのは不遜で、考える場や素材を用意し、実践できる機会や環境を提供しますが、変わるかどうかはその人の状況次第です。その機会と本人の思いがピッタリと当てはまって変わる方、優秀だけど変わるタイミングではない方、などさまざまです。

    組織変化や社会の変化を目指して教育を行い、学んだ人が結果として行動する。そして新たなプロジェクトが立ち上がり、世の中への価値提供に繋がる。こういう順番だと思っているので、個人の変化に立ち会うことへのやりがいは結果としてありますが、そこだけを目指してやるものではないと考えています。社会全体の変化に大きく関わっていくということが、教育の醍醐味だと思います。

    Article content

    0→1から10→100まで。異なるフェーズを次々と経験できる環境。

    ー松尾研での経験を通し、大牧さん自身は何が変わったと思いますか?

    入社直後はAI技術の基本的な用語も分からない状態でしたが、データサイエンスやディープラーニング、WEB工学関連の講義資料、演習課題など豊富なコンテンツやAIソリューション事業が取り組んでいる多くのプロジェクト事例があり、学ぶことができました。それによって、ビジネスと技術を理解した上で、どういう経営組織であるべきか、どのような変革プロセスを進めていくべきかという仮説の解像度が高まっています。まだ体系化できていませんが、様々な関係者とコンセプトを議論しながら、仕込みをしているところです。

    ーありがとうございます。松尾研の組織の特徴はどんな点ですか?

    1つは、スピード感です。松尾研はアイデアから実現までの時間軸が早いです。大企業だと、アイデア検討から実現まで一定の時間がかかり、いくつものハードルがあります。松尾研では数ヶ月単位で新たな企画を動かしている感覚です。実験的に色々なことを仕掛けられるのは非常に面白い点ですね。

    もう1つは、スケール化です。アイデアを具体化する0→1フェーズの取り組みもありますが、1→10、10→100フェーズの活動もあります。社会的なインパクトも目指していますので、小さく始めながらも、スケール化させる仕組みを整えていくことも同時に取り組んでいます。

    Article content

    (企業向けリスキリング教育をテーマとしたイベントにて、モデレータを務めた。)

    5〜10年先を見据え、社会にインパクトを与える教育インフラを。

    ー今後の展望を教えてください。

    5-10年後に振り返って、今の活動がより社会的にインパクトの大きな取り組みになっていたらと思っています。今は立ち上げ期なので小さな種を仕込んでいる段階ですが、それらが拡大・統合され、振り返ったら大きな教育インフラを作れた、変化の潮流を起こせたという活動になっていたら嬉しいです。この1年でもすでに大きな変化を実感しています。

    ー未来の仲間へのメッセージをお願いします。

    AIの技術やビジネスの学び方、経験の積み方は様々ですが、AIの実装や教育をしているど真ん中でキャリアを積むことは、必ずプラスになります。また、教育は自分一人でプレイヤーとして及ぼす影響範囲よりも、1000人教育したら自分の1000倍影響を及ぼすことできる、そんなインパクトの大きさがある領域です。

    AI技術を学び、組織変革を支援する。松尾研では、その事業を創る活動ができます。アカデミアに近い組織で先端技術に触れ、優秀な学生や起業家との連携など、多様性に富む場で知的刺激も得られます。松尾研から日本を変えるうねりを起こしたい方、そんな想いを持って事業を推進してくださる方とご一緒できることを楽しみにしています。

    Article content

    (プロフィール)大牧 信介

    2021年7月より現職。AI教育事業にて、AI領域から産業界のDXを推進するビジネスパーソンの育成に取り組んでいる。

    大学卒業後、大手リース会社をへて株式会社グロービス。グロービスでは、コーポレート・エデュケーション部門(法人研修部門)にて顧客企業の経営者育成プログラム、新規事業開発のワークショップ、アクセラレーションプログラム等、数多くの企画支援実績がある。グロービスの企業研修講師として、経営戦略、デジタル戦略、デザイン思考、新規事業開発などのセッションを担当している。

    立命館大学経済学部卒業。東京理科大学大学院イノベーション研究科修了(技術経営修士)。


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  • 松尾研AIコンサルタントの挑戦 | 経営視点の戦略立案 × 技術志向で、企業の5-10年先を照らす提案に臨む。

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    プロジェクト詳細

    今回ご紹介するのは、コンサルティングファームでキャリアを積み、その後、株式会社松尾研究所に2022年8月にジョインされた村上将一さん。松尾研究所を選ばれた理由、今後の展望についてお聞きしました。

    Article content

    「研究に踏み込んだ知見があれば、競争優位に立てる戦略を提案できるはず」歯がゆさから次のステージへ。

    ーこれまでのご経歴を教えてください。

    ファーストキャリアは損害保険会社で、主に法人営業、リスクコンサルティングをしていました。その後コンサルティングファームに転職し、戦略コンサル部門でマネージャーとして約3年半従事したのち、松尾研究所にジョインしました。

    戦略コンサルでは様々な業種のクライアントに対し、中長期戦略や、新規事業の立案、シナリオプランニングを行っていました。


    ー転職を考えたきっかけを教えていただけますか?

    当時、様々な種類のプロジェクトに携わっていたのですが、中でもAI活用に関するプロジェクトが多くありました。社内にもAIに精通した人材はいて、相談もできる環境だったものの、「先端AI研究の社会実装を行う知見が自分自身にあれば、アイディエーションの段階からより競争優位性の高い戦略を解像度高く構想できる。そうすることでクライアントにとってより価値のある提案ができるのではないか」と考えるようになりました。

    そんな自分の理想とする状態に到達していない自分に歯痒さを感じ、次の進路としては、自身のAIに関する知見を深めながらAIコンサルティングができる企業を探索していました。

    コンサルタントがリサーチエンジニアとバディを組む。松尾研で、研究動向を追う最前線に辿りついた実感。

    ー松尾研究所に入社を決めた理由を教えてください。

    決め手は、大きく三点あります。

    一点目は、先端AI研究を社会実装するという、松尾研究所の業務に魅力を感じたことです。同時に、面接の中で、AIエンジニアリングに精通している優秀なメンバーとバディを組んで提案活動できることや、基礎研究を行うリサーチャーの方々とも直接意見交換ができることをお伺いし、これはあまり他にはない、先端AI 研究の社会実装に関する知見が得られる環境だと感じました。

    多くの日本の企業が、AIを活用しようとしてもなかなか実現できないという悩みを抱えています。今までできなかったことができるようになる、そんな先端の研究が生まれているということは、私もある程度知ってはいたものの、知識が乏しかった。その点に詳しいリサーチャーの方とのコネクションは魅力的でした。

    私自身、単なるAIの開発ではなく、先端AIの研究を社会実装していく、その先端性が重要だと思ってます。

    AIは、今なお世界中で多くの研究がなされ、現行の手法に関する問題点を解消したり、より高精度に予測を行う手法が日夜生み出されています。ですので、AI開発に取り組む際はそういった最新の研究を踏まえながらベストな手法を選択することで、クライアントにとって最適な提案ができると考えています。

    この「先端」という部分に関しては、ケイパビリティやリーチのしやすさという点でも、松尾研はベストな環境であると考えました。

    Article content

    二点目は、目指す目標のスケール感です。

    松尾研究所では、「AIを社会実装をする共同研究を推進し、日本全体のDXを推進していく」という高次な目標を掲げています。

    面接の際に、お話しさせていただいた社員の皆さんも、「共同研究を通して先端技術と社会の橋渡しを行い、社会実装を加速する」という松尾研究所のミッションを意識されていることが印象的でしたし、その姿勢にとても感銘を受けました。

    最後は、チャレンジできる自由な風土があると感じたことです。社員の皆様からも口を揃えてお伝えいただいたことですが、自分がやりたいことがあればチャレンジを推奨する風土、環境が整ってると思えたことが大きいです。

    余談になりますが、当初は松尾研究所が、共同研究として社会実装を推進していることも、松尾研究所でキャリア採用しているということも知らなかったです。また、東京大学の出身でなくても、松尾研究所に転職できるということも知らなかったので驚きました。

    社会・経済を動かす経営者達との、熱量も視座も高い商談に驚き。

    ー現在の具体的な業務内容に関して教えてください。

    主に大手企業の役員層や、事業企画部門の責任者の方々へのAIやDXの提案活動をメインに行っています。クライアントの課題を伺って、松尾研究所の特徴である「あるべき姿を解像度高く描くこと」を軸に検討を進めつつ、実現するための手法とプロセスを考え、ご提案、という流れです。検討の段階から、AIエンジニアとバディを組んで、技術的なところを補完していただいています。


    ー村上さん自身も技術についてキャッチアップしながら提案を進めていると思うのですが、具体的にどのように提案内容を検討しているのですか?

    解かなければいけない課題を明らかにしたのち、手段であるAIの手法として何を選択するかを検討します。 その際に把握する必要があるのは、世の中にその課題に対しての解決手法は何があるのか、そしてそれぞれの特徴は何かということです。それらを並べ、評価して絞り込む。ですので、まずはどんなオプションがあるかということをとことん調べます。

    松尾研にジョインしてから、より精度の高い論文のリサーチ手法をAIエンジニアから学べたことも良かったですね。前職ではGoogle Scholarを使う機会もあまり多くありませんでしたが、現在は発表からの年数や被引用数といった相場感なども鑑みつつ、積極的にサーベイをするようになりました。

    Article content

    ー入社してギャップを感じたことはありますか?

    入社して、本当に驚いたのは、産業界のあらゆる業種業態のリーディングカンパニーの上位レイヤーの方々との接点が豊富ということです。松尾研究所はアカデミアに近い企業だと思っていたので、産業界との接点の多さがまず驚きでした。そんな企業はおそらく他にないんじゃないかな、と。加えて、社長などの経営層や経営企画の責任者といったレイヤーに直接提案が出来る機会が多く、商談で出てくる話の“視座”の高さにもかなり驚きました。

    さらに商談時の雰囲気も、最初から先方の熱量が高いんです。こちらの情報を吸収しようという意気込みがすごい。提案を受け入れてくださる素地がある。松尾研究所への期待の大きさを感じます。

    またある意味想定以上だったのが、AI開発についてご相談いただく機会の多さと、提案するAIテーマの幅広さです。産学連携を含め、先端AI研究を社会実装したいというニーズを持つクライアントは、予想以上に多いという印象です。

    世界にあるAI手法を俯瞰し、最適なソリューション提案を行える。

    ー企業の方々が松尾研究所に求めていること、松尾研究所だからこそという依頼や、期待される部分はありますか?

    既に社会でなんらかの実装が進んでいるようなソリューションではなく、先端的な、今まさに世の中で研究されてるような手法を用いたAI開発が求められています。世の中で動いているAIの研究を俯瞰的に見て、課題に対して最適なソリューションを提案してくれそうだという期待があるのではないかと感じますね。

    過去にこういった試みを推進しようとしたが途中でプロジェクトが頓挫してしまった、というクライアントの話を聞くことも多々あります。そういったクライアントは、過去にチャレンジしてうまくいかなかった部分を、先端のAIの手法を用いてブレイクスルーしていきたいというニーズがとても大きいです。

    Article content

    ーコンサルティングファームと松尾研究所、AI系のプロジェクトに対してのアプローチの差はあると感じられますか?

    AI開発手法を深堀り、検討出来るのが、松尾研の特色であり強みだと言えます。

    コンサルティングファームでは、課題に対して既存で確からしい手法のみを提案しているイメージがありますが、対して松尾研究所では、解決策を複数提示することができます。さらに、現時点ではクライアントの業界には適用してない、他の業界でもうすでに取り入れ始めたAIの先端的な手法を取り入れることができるかもしれないという、挑戦的な提案ができることが多い。この辺りが差分だと思います。

    世界におけるAIの手法というのを俯瞰した上で、最適な手法を複数候補から選んで、提案することができることは魅力の一つです。

    Article content

    最新技術のキャッチアップが習慣化されている、刺激的で魅力的な環境。

    ー入社して組織や環境について、どう感じていますか?

    刺激的でチャンスが多い、魅力的な組織だと感じますね。

    例えば、先端AIについて学習できる環境であること。最新のAI論文の輪読会が週1回開催されていて、私も参加させてもらっています。徐々にキャッチアップしてる段階ですが、大変勉強になってます。

    また、やはりメンバーの皆さんが、すごく優秀で向上心が高いです。AI、MLのエンジニアリング についての知見も豊富で、様々な最新の手法についても情報収集し、常に自己研鑽やアップデートをしていると感じます。それは自分にとって大きな刺激になっていて、知見を共有いただいています。

    ー入社にあたり、不安に感じられた部分はありましたか?

    戦略コンサルにいた人が転職の際にAI系に進む場合、AIに関する知識が乏しい中で、エンジニアの方々と対等に話せるのかを気にする方は多いのではないかと感じます。選考中は私も少し不安に感じていたものの、入社後にはそういった不安は払拭されました。

    よくあるのが、こちらから能動的に聞きに行かないと話せないような環境です。これは、AIの知識のない人からすると結構ハードルが高かったりします。

    松尾研究所内では、共同研究チームとは、毎週1〜2回は、ミーティングで話す機会もありますし、Slackで気軽にいろいろやり取りできる文化もあるのでハードルは低いですね。実際、入社してからも抵抗感は感じたことはなく、大変ありがたいです。

    Article content

    好奇心を満たせるチャレンジングな機会。いずれは海外も視野に入れていきたい。

    ー今後目指していることや、夢をお聞かせください。

    もっと世の中にインパクトを与えられるようなプロジェクトを、数多く生み出していきたいです。色んな業界のプレイヤーと連携して、より大きな仕事をしていくことを想定したときに、海外を視野に入れて連携すると相乗効果はあると思っています。そのような点も含めてチャレンジしていきたいですね。

    あとは、産学官連携を進めた結果、オープンイノベーションをより拡大していくことができるように、私自身も関与していきたいです。


    ー今後どんな人と働いてみたいですか?

    皆様にとっても、好奇心を満たせる素晴らしいチャレンジの機会がここにあると思っています。そういった点に魅力を感じて仕事を進められる方と是非ご一緒したいです。

    Article content

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    (プロフィール)

    村上 将一 AI事業開発マネジャー

    大手損害保険会社、デロイトトーマツコンサルティング合同会社(モニターデロイト)を経て現職。前職では、幅広い業種のクライアントに対してデジタル戦略立案や新規事業構想のコンサルティング業務に従事。慶應義塾大学経済学部経済学科卒。経営学修士。


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