松尾研のシニアデータサイエンティストが、入社理由やプロジェクト事例、組織文化についてお伝えします!

今回は、株式会社松尾研究所でデータサイエンティストチームに所属する清水 茂樹さん・長谷 航記さんに、松尾研究所へのジョイン理由、今取り組まれていること、組織文化についてお話をお伺いしました。

ーまずはお二人の自己紹介をお願いします。

清水:今年(2024年)2月に入社して、現在はデータサイエンティストチームのリーダーをやっています。現在は、製造業の企業様とAIエージェントの研究開発をしていまして、技術調査や論文調査から開始し、開発の方向性を定め、ユーザーが使いやすいAIエージェントの開発を行っています。また、チームリーダーとして、データサイエンティストの皆さんが働きやすい環境作りにも取り組んでいます。よりイノベーティブな仕事に取り組めるように、業務の20%は新しいことや探索的な活動に取り組むことができるルール作りの検討など、組織を良い方向に進められるような起案をしています。

長谷:今年(2024年)4月に入社して、複数の業界で生成AIを活用したプロダクト開発や業務改革プロジェクトをリードしています。従来のAI活用はもちろん、既存のプロダクトや業務を根本的に変えてしまうような新たな価値創造に挑戦しており、最先端の論文を調査・実装しながら、自動運転のレベルのようなAI活用レベルをサービスにおいて定義し、現在の最先端技術で実現可能なレベルの特定や実現可能性の検証を行っています。また、会社が急成長しており、従来のやり方では限界が来てしまうため、組織内の業務効率化やデータサイエンティストの知識の底上げを目指した勉強会の企画・運営も行っています。

ーなぜ入社を決められたのですか?

清水:前職はSIerでデータサイエンティストをしていましたが、松尾研究所では「AIの質」にこだわって仕事ができると思い、入社を決めました。

AI導入を進める中で障壁となるのはUIや使い手のリテラシーなど様々なことは言われていますが、個人的には「AIの質」に課題を感じていました。クライアントのニーズに応じた迅速な成果が求められる一方で、AIモデルの質や精度に十分に時間を割くことが難しいと感じることがありました。松尾研究所では、研究室に伴走する組織として最先端の技術に触れることができつつ、AIの質にこだわって仕事ができることが魅力でした。

長谷:アカデミアとの距離が近く、最先端技術を活用した課題解決ができることを魅力に感じました。

私は元々製造業で研究職として機械学習やデータ解析の研究開発をしていました。また、従事する中でお客様自身がAIを理解していないとなかなか先に進めないことを課題に感じ、その課題を解決するためにビジネスパーソン向けのデータサイエンス教育の会社を立ち上げて活動していました。そんな中、今後のキャリアの主軸として何を目指して頑張りたいかを考えた時に、「自分は技術が好きだから、AIの技術開発を軸にやっていきたい、その上でより先端で高難度な課題解決に携わりたい」という思いから、松尾研究所に縁を頂き入社を決めました。また、松尾研がまだまだ発展途上であることや、松尾研自身もインキュベーション活動を行っていることから、自分の会社の立ち上げ経験を活かしバリューを発揮できるのではと思いました。

ー実際に入社されてみていかがでしたか?

清水:仕事面では、想像以上にプロジェクトが多種多様でした。業界やテーマの幅だけでなくプロジェクトの性質の幅も広いです。例えば有効なプロンプトを探索しすぐにプロダクトとしてリリースするものもあれば、3~4年かけて腰を据えて進めるプロジェクトもあり、テーマに飽きがこないのは面白いところです。データサイエンスの領域は飽きが来やすいというか、別の問題を解きたいと思ってしまうのですが、プロジェクトの幅の広さは非常に魅力的ですね。

物体検知・異常検知、需要予測をはじめ、最近では生成AIの案件が増えてきていますが、こちらに記載されていない案件も数多くあります。最近は難易度の高いチャレンジングな取り組みも積極的に進めており、例えば下記のようなプロジェクトです。

一つは、「世界モデル」というAIの技術領域を応用した自動運転分野への適用です。

「世界モデル」とは、東京大学松尾・岩澤研究室が注力している研究領域で、人間だったら当たり前にやっている、限られた情報から世界の構造をモデル化しそれを学習によって獲得する、という仕組みになります。当社では松尾岩澤研の研究者に技術アドバイザーとして参画いただき、例えば自動運転においては、シミュレーターとしての応用や、認識機能や制御機能としての応用を進めております。

参考:「世界モデル」とは何か? 知能の実現に向けて、松尾研が研究を推進する理由
weblab.t.u-tokyo.ac.jp/20221130-1/(クリックすると東京大学松尾・岩澤研究室のHPに移動します)

二つ目は、IoTプラットフォームを提供しているソラコム社と三菱電機社と取り組んでいる、空調機器制御のプロジェクトです。

部屋の状況に合わせた快適性と電気消費量の最適化を行うもので、従来的な手法では検証に1年以上の時間をかけてしまうものを、大規模言語モデルの活用により数ヶ月でPoCの検証を可能にしたという事例です。

本来であれば様々なパラメータから特定となる因子を見つけることが難しかったりもするのですが、その部分を大規模言語モデルの活用により検証のスピードを上げているところが特徴です。

いくつか事例を紹介させて頂きましたが、このように様々なプロジェクトに関わることができるのは面白い点だと感じます。

長谷:清水さん同様、私もプロジェクトの幅の広さは実感しているところです。また、課題解決・目標の高さにも驚きました。

従来のAI開発では、性能の高いモデルを作ることで売上やコスト削減に貢献するものが多いですが、松尾研では「今のビジネスの構造を根本からゲームチェンジさせよう」という考え方を起点にプロジェクトがスタートします。また、社会課題をAIで解決していこうというプロジェクトもあったりするので、こんなこともやれるんだと感じました。

また、新しい技術に触れることができる機会もかなり大きな魅力です。

普通の企業のR&Dだと、その企業が取り組んでいるドメインの技術の情報は日々共有されますが、ドメイン外の情報はキャッチアップが難しいこともあります。松尾研では研究者との交流機会もあり、技術が好きな人が多いので、様々な分野の論文や記事が毎日のように共有されるんですよね。

それこそ、キャッチアップに疲れちゃうくらい大量の情報が入ってくるので(笑)日々勉強しつつ、最新の情報も入れながら自己研鑽していくことができているところが良いなと思ってます。

清水:本当に毎日誰かが「この論文いいよ」とSlackに共有していますよね。

他の企業だと、成果を競い合ってしまうこともあり、なかなか部署を越えた交流も生まれづらいですが、我々はアカデミアで進んでいる基礎研究をどう活用するかという思いが強いので、交流の障壁が全くないなとは思います。また、松尾・岩澤研究室が公開している教育コンテンツや論文の輪読会などの機会を活用し、画像や言語など他分野の情報も学ぶことができて、キャッチアップの機会は本当に多いです。

ー組織文化についても教えてください。

清水:「自分ごと化する」「フラット」「技術で解決を楽しむ」という3点が特徴としてあります。

「自分ごと化する」という点では、組織の問題を自分達で洗い出して、それを自分たちで解決していこうという取り組みを進めています。課題解決ダッシュボードという、組織の問題を置いておく場所を作っているのですが、誰か1人が担当としてやってください、ではなく、誰もが起案し、誰もがそのボールを持ってみんなで組織を良くしていく、ということをやっています。

「フラット」という点では、知識や知見をみんなが互いに発信し合って組織のナレッジを貯めていこうという文化があります。私はSIer出身ですし長谷さんは製造業とか、あとベンチャー出身の人もいたりと、本当に多様なバックグラウンドを持つ人が集まっているのですが、そういう尖ったスキルをみんなで持ち寄ろうという動きが強いですね。

「技術で解決を楽しむ」という点では、自分たちの業務をまずは自分達がAIを使って効率化しよう、ということで、AIハッカソンというものを自主開催しています。

参考:松尾研究所「AIハッカソン」開催レポート
zenn.dev/mkj/articles/8c080eb8ea2fd2

自分達ができないのにお客様の業務効率化なんてできない、ということで、開発を1ヶ月間で進め、これを基に論文調査やナレッジ蓄積を行い、実際に業務で使って、お客様にもそのノウハウを還元する・・というサイクルを作っていきました。

また、組織の人員が今後何人必要になるか、という問題もロジックを組めば出そうと思えば出すこともできるのですが、「これって最適化の問題と同じように解くことができるのでは?」とみんなで取り組んでみたりしています。とにかくデータサイエンティストのチームメンバーはデータ分析、AIがとにかく大好きで、技術の可能性を信じてるからこそ、技術で解決を楽しむことができる。この文化が私たちの良い成果に繋がっていると考えています。

長谷:自分は今挙げていただいた3点の他に、想像以上に意思決定や挑戦意欲がある組織だと思いました。

清水さんがお伝えした「課題解決ダッシュボードを作って解決しよう」という話は、実はSlackで「これやりたいですね」という話が出て、「いいですね!」と話が進み、その日中に雛形ができてしまう、このくらいのスピード感で進んでいったんです。1週間後のミーティングで決めましょう、というのでも十分早いと思うんですが、1日単位で何かしらの意思決定がなされ、解決に向けて前に進めるところは本当に魅力的だなと思います。

ー最後に、未来の仲間へのメッセージをお願いします。

清水:好奇心を持ち、自分で課題を解決したい人には最高の環境だと思います!積極的に情報発信をしたり後輩の育成などデータサイエンスをリードしてきた人材が多く在籍していますので、まだまだスキルを磨きたい人にとっても良い環境を提供できます!

長谷:新しい技術を使った課題解決に興味を持ち、変化やチャレンジを楽しめる方には最高の環境を提供できると思います。また、最高の環境を一緒に作りたいと思っていただける人とぜひご一緒したいです!

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