松尾研究所、パナソニック ホールディングスと生成AI技術を活用した「松下幸之助」再現AIを共同開発
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Date
2024.11.29
株式会社松尾研究所(所在地:東京都文京区、代表取締役:川上登福、以下松尾研究所)とパナソニック ホールディングス株式会社(本社:大阪府門真市、代表取締役 社長執行役員 グループCEO:楠見 雄規、以下「パナソニックHD」)は、パナソニックHDの創業者・松下幸之助氏の膨大な著作物や講演記録、映像や音声データを学習し、返答内容の質の向上に加え、同氏の言葉遣いや話し方を忠実に再現する人物再現AIを共同開発したことをお知らせします。
背景と目的
パナソニックHDは、新たな技術を用いて、創業者・松下幸之助氏の理念を探求・啓発し、次の世代に継承していくことを目指しています。しかし、松下幸之助氏から直接薫陶を受けた人物が年々減少する中で、その思想や精神をリアルに伝承するための新たな手段が必要となっていました。そこで、同氏の著作物や講演、対談等の膨大な発言記録・音声データをもとに、松尾研究所が強みとする生成AI技術を活用し、同氏の理念の探求と継承を目的とした人物再現AIの共同開発に至りました。
技術概要
本システムは、音声認識、返答生成、音声合成、動画生成の4つのAI技術を統合し、ユーザーからの質問に対し、リアルタイムで応答・音声・映像を生成します。(図1)
具体的には、過去の膨大な発言記録をもとに構築した返答生成モデル、音声合成モデルを通して、松下幸之助氏らしい語り口調と表現力を実現しています。また、音声データには独自のクレンジング処理を施し、ノイズ除去や昔ながらの言い回しの適応を行うことで、より高い精度の音声合成が可能となっています。さらに、松下幸之助研究者や同氏の薫陶を受けた専門家から、出力結果への評価・フィードバックを得ることで、AI返答内容の質を向上させ、同氏の理念を継承できる「松下幸之助」再現AIを実現しました。(図2)
今後の展望
本システムは、松下幸之助氏の理念を次世代に継承するツールとして、さらなる進化を目指します。応答モデルの高度化や音声・映像品質の向上やユーザーフィードバックの活用により、より柔軟で深みのある対話を実現し、システムの品質を継続的に向上させます。
■松尾研究所について
株式会社松尾研究所は国立大学法人 東京大学大学院 工学系研究科 松尾・岩澤研究室に伴走し、大学を中心としたイノベーションを生み出す「エコシステム」を作り、大きく発展させることを目的に設立された研究所です。松尾・岩澤研究室の「研究」の成果・技術の「開発・実装」を行い、広く社会に普及を目指し、日本の産業競争力の向上に貢献しています。
■パナソニック ホールディングス株式会社について
1918年に松下幸之助が松下電気器具製作所を創業。株式会社組織となった1935年以降、松下電器産業株式会社、パナソニック株式会社への社名・体制変更を経ながら、家電、住宅、自動車、産業、通信、エネルギーの各分野で革新的な製品やソリューションを提供してきたパナソニックグループは、2022年4月1日にパナソニック ホールディングス株式会社を持株会社とする事業会社制(持株会社制)へ移行しました。2023年度のグループ連結売上高は8兆4,964億円で、グローバルに事業を展開しています。
https://holdings.panasonic/jp/corporate/about.html
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